電通デジタルは、電通とSnowflake社が取り組む企業間のデータ連携プラットフォーム「Tobiras Shared Garden(トビラス・シェアード・ガーデン 以下、TSG)」の開発に参画した。同プラットフォームは、企業グループ内・他企業間でのデータ連携を促進し、マーケティングROI(mROI)の最大化を支援するもので、2025年7月8日より提供が開始された。

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TSGは、既存のシステム環境に依存せず、マルチクラウド(クラウドフリー)で柔軟かつ安全なデータ連携を実現するプラットフォーム。これにより、顧客は企業グループ内・他企業間、電通デジタル・電通がアライアンスを構築したデータホルダー、プラットフォーム各社とのデータ連携が可能となる。
近年、企業が1stパーティデータを活用し、マーケティング効果を高めるニーズが高まっているが、プライバシーポリシーの同意範囲やデータ管理、安全性といった課題から、企業間連携が困難なケースが見られる。また、複数のデータソースを使用する場合、異なるプライバシーポリシーに対応し、それぞれの同意範囲を適切に管理する負荷や、データ送付後の更新や無断利用防止が課題となっていた。
TSGは、電通デジタルと電通がこれまでに累計3,000件以上運用してきたデータクリーンルーム(以下、DCR)で蓄積した知見を生かし、3つの主要機能を備える。
- 「Consent Matching Support AI」により、複数のプライバシーポリシーから同意内容を抽出・リスト化し、プライバシー確認を支援する。
- 「Interoperable DCR」は、データ連携における安全管理措置を支援し、基本クエリを用意することで、非エンジニアでも分析を可能にする。
- 「Intelligent Activation」は分析結果にもとづき、広告やCRM施策の実施を支援する。
また、Snowflakeのマルチクラウド対応プラットフォーム上で構築しているため、自社環境内で効率的かつ安全に1stパーティデータの管理・連携・分析が可能だ。料金体系には「固定費+従量課金制」を採用し、初期コストを抑えた導入にも対応している。
電通デジタルではこれまで、Snowflake Partner Networkのサービスパートナーとして、1stパーティデータ活用に関する支援やクラウド基盤の開発を多く実施してきた。今後は、TSGの機能拡充を推進すると同時に、同社の統合マーケティングAIエージェントと接続することで、顧客のmROI最大化の実現および、AIトランスフォーメーションを支援する。
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