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ホットリンクが探る、SNS活用企業の成功の秘訣

ヤマト運輸が「デジタルな対面」で挑む親近感の醸成、コンテンツ内製で実現する双方向コミュニケーション

フォロワー数は追わない。「事業貢献」を重視するKPI

――SNS運用において重視している指標を教えてください。

明石:私たちは、SNSといえども数字がすべてだという意識を持って取り組んでいます。ただ、追いかけるべき指標の置き方が重要です。

ヤマト運輸株式会社 コーポレートコミュニケーション部 明石氏
ヤマト運輸株式会社 コーポレートコミュニケーション部 明石氏

柴:最も厳しく見ているのはエンゲージメント率です。極端な話ですが、フォロワー数は広告などで増やすこともできてしまいます。しかし、フォロワーが増えた後に、きちんと継続してコミュニケーションが取れているかは、エンゲージメント率に反映されます。

――見かけのバズを追いかけることはしない、ということですね。

柴:はい。トレンドに乗って数値が一時的に上がっても、それが事業やブランドに貢献できていなければ意味がありません。たとえばインプレッション数が良くても、紹介しているLPへの遷移やサービス利用などの具体的なアクションにつながらなかった場合は、その結果を素直に受け止め、次の施策に反映させるようにしています。私たちはメディアではなく、あくまで事業会社のアカウントであるという軸をぶらさないようにしています。

――どうしてもSNS上での話題化やバズだけに終始してしまうケースが多い中で、ヤマト運輸さんのように常に事業や会社への影響を地続きで考えて運用されている点は、非常に素晴らしいと感じます。

イメージ払拭の先へ。地域とデジタルで繋がる新たな対面

――本格開始から5年ほど経過し、どのような成果を実感されていますか。

柴:当初の目的であった「怖い」「遠い」というイメージの払拭については、アンケート調査でもポジティブな変化が見られました。現在はさらに一歩進んで、サステナビリティの取り組みや「荷物がどう運ばれてくるのか」という、ブランドの裏側にあるストーリーを伝えるフェーズに移行しています。

渡部:また、以前はリスクを考慮して閉じていたコメント欄を開放したことで、数百件ものコメントをいただけるようになりました。企業アカウントにコメントしていただけること自体が貴重だと思います。さらに、従来はなかなか届くことのなかったお客様のリアルな声を、デジタルの接点を通じてダイレクトに受け取れるようになったことは、非常に大きな財産です。

――社内への波及効果についてはいかがでしょうか。

柴:本社の取り組みが刺激となり、現在では直接お客様と相対する主管支店からも「お客様とコミュニケーションをしていきたい」と手が挙がるようになりました。

明石:全国に92の主管支店があるのですが、多くの相談を受けるようになりました。そこで、私が伴走支援を行い、地域の特色を活かした情報発信で、SNSが地域のお客さまとの新たな接点となるようサポートしています

主管支店のアカウント(一部)
主管支店のアカウント(一部)

柴:こうした取り組みが広がることで、SNSがヤマト運輸とお客様との「新しい対面の形」として着実に根付いていると感じています。

――デジタルの力を活用し、ヤマト運輸が大切にされてきた「対面」の価値を現代の形へとアップデートしている姿勢は、多くのSNS担当者にとって大きな指針になると感じます。本日は貴重なお話をありがとうございました。

ここに注目!ヤマト運輸流SNS活用のポイント

 ヤマト運輸さんがSNSを始めた背景には、社会全体でEC利用が急増する中で失われた「対面コミュニケーションを取り戻したい」という明確な目的意識がありました。「デジタルでの対面」というコンセプトを起点に戦略を組み立てているため、発信内容からKPI設定まで判断軸が一貫しています。自社の事業課題から逆算してSNSの目的を定めることの重要性を、改めて考えさせられる事例です。

 注目したいのは、内製化へのこだわりです。スピード感に加え、あえて作り込みすぎない「余白」を残すことで、フォロワーが話しかけやすい環境を意図的に生み出しています。完成度より話しかけやすさを優先する発想は、双方向のやり取りが強みであるSNSの特性をうまく生かしています。

 KPI設計においても同様で、フォロワー数や一時的なバズではなく、事業への影響を重視する方針が、当初の目的意識と一貫しています。SNSをどう事業につなげるかを模索している担当者にとって、参考になるアプローチではないでしょうか。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/04/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50581

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