社員自ら“わくわく”を表現!プロジェクトの全貌
MZ:そのようなプロセスを経て、どういった施策が実現したのでしょうか。
堀内(富士急行):具体的な施策として「上から富士山」「あなたのわくわく叶えます」「富士山わくわくアート」「WAKU WAKU WORK」、そして社内向けの「WAKU WAKU プレゼント」の5つを打ち出しました。富士急グループが持つ事業や資源、富士山麓の魅力を活かしながら、地域の方々やお客様、社員と一緒に新たな“わくわく”を生み出していく施策です。
特に、富士山にまつわるエピソードを募集し、その中から選ばれた応募者を富士山周辺のヘリコプター遊覧に招待する「上から富士山」は、反響が大きかったですね。大切な思い出やエピソードとともに、実に1,000件弱もの応募をいただきました。ヘリコプター遊覧では涙を見せる方もいて、改めて富士山のパワーと皆さまの想いを感じました。
斎藤(富士急行):「あなたのわくわく叶えます」は、「こんな体験がしたい」など“わくわくすること”を募る企画です。電車に宿泊したい、遊園地で結婚式を挙げたいといった、私たちの想像を超える大胆な夢が数多く寄せられました。そうした夢を採択し、実現に向けて動かしていくところも、富士急グループらしさだと思います。採択された方全員に会いましたが、皆さまの熱量をひしひしと感じました。今後、それらの夢を実際に叶えていく予定です。
堀内(富士急行):「富士山わくわくアート」は9月より始動します。富士山がきれいに見える富士急行線の駅名標やバスのラッピングなど、世界文化遺産である富士山とアートを組み合わせ、富士山を中心とした景色そのものを記憶に残るものにすることで、エリアの文化的価値を高めていければと思います。「WAKU WAKU WORK」は、富士山観光をプロデュースする様々な富士急グループのお仕事を実際に体験できる企画です。
田崎(FICC):こうして生まれた多様な“わくわく”を1つの世界観として伝える上で、重要になったのが、プロジェクトの“顔”となるキービジュアルです。当初作成したクリエイティブ案に対して、「富士急はもっとカオスだ」というフィードバックをいただいたことが印象的でしたね。いろいろな要素が混ざり合いながら、1つの世界観を作り上げている。それが成り立つのが“富士急グループらしさ”だと解釈しました。その結果、いろいろな人の“わくわく”を表現するビジュアルが完成しました。
そして、社員が“わくわく”を体現する事業だからこそ、キービジュアルのモデルも社員の皆さまに担っていただきました。最終的には「自分たちの手で100周年を盛り上げていくんだ」という想いを感じ取れるものになり、より多くの方々に自分ごと化いただけたと思います。
斎藤(富士急行):ある役員は、家族で撮影に参加してくれましたね。新聞広告としても掲載しており、地域の人から「新聞広告に載っていたのを見たよ」と声をかけられた社員もいたようです。
森(FICC):そのエピソードを聞いて、本当に嬉しかったです。FICCではブランド支援において、代理店や支援会社主導ではなく、社員の皆さま自身がブランドアクションとして考え、体現されることを何よりも大切にしています。私たちはそれに伴走しながら、「問いを投げかける役割」を担っています。今回の取り組みも、富士急グループ社員の皆さまの想いを“物語”として表現するための「問い」を投げかけさせていただき、ご一緒に向き合っていくことからスタートしています。
富士山の感動と人の想いを、次の100年へ
MZ:今回のプロジェクトを踏まえ、富士急グループとして、次の100年はどのような存在でありたいですか。
堀内(富士急行):本プロジェクトは、当社グループの100周年事業全体の中の1つの切り口として実施しているものです。この取り組みにとどまらず、私たちの大きな役割は、富士山の魅力を伝え続けていくことです。昨今はデジタル化やAI技術が進んでいますが、富士山を見て感動する気持ちはリアルでしか味わえないもの。その価値は、100年後も変わらないでしょう。富士山自体も大きなステークホルダーと捉え、今後も価値を最大限伝えていきたいです。
個人としては、富士山をアートやカルチャーの発信地として、感動体験を届けていきたいです。富士山が美しく見える場所をはじめ、エリアの文化的価値をアートで高めながら人流を生み出すといったチャレンジもしていきたいですね。
斎藤(富士急行):当社は100年の歴史の中で、多様な取り組みに挑戦してきました。次の100年も、社員が常にチャレンジできる会社であってほしいし、自分自身もそうありたいと考えています。そして当社ならではの体験価値を提供することで、お客様からの信頼感を高め続けていきたいです。
MZ:FICCからも、今後の展望をお聞かせください。
森(FICC):富士急グループの皆さまが、一人ひとりの想いを社会につなげ、次の100年に向けて未来を共創しようとする姿は、私たちFICCがこれまでも大切にしてきた「ブランドと人の想い」が、未来を作る力になることをまさに体現するものでした。今回のプロジェクトでも様々な想いに触れる中で、私たち自身もたくさんの気付きをいただきました。これからも、富士急グループの皆さまはもちろんのこと、出会う一つひとつのブランドの方々とともに学びながら、それぞれの想いを社会につなげ、未来を共創できる関係を築いていきたいと思います。
田崎(FICC):一昔前は「ブランドが顧客の課題を解決する」という考え方が主流でしたが、今は「ブランドの姿勢や考え方に共感してもらい、関係性を構築する」ことが大切だと感じています。今回のプロジェクトでも、富士急グループの皆さまがそれぞれに抱く想いを、どのように表現し、社内外へ伝えていくかが重要でした。そこに人の体温が伝わるからこそ共感が生まれますし、社員の皆さま自身が参画したことで、大きな価値が生まれたと思っています。
ブランディングやマーケティングにおいて重要なのは、社員一人ひとりが納得して日々の活動に接続できることです。「べき論」を押し付けるのではなく、企業の皆さまが本当に実現したいことを引き出して、実行まで支援することが私たちの役割と考え、今後も取り組んでまいります。
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