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【アクセンチュア調査】AI時代のブランドロイヤルティ

 アクセンチュアは、世界16ヵ国2万5,000人以上の生活者(日本:1,005人を含む)を対象に、生活者調査「Talk to my AI Agent」を実施。その内容を公開した。同調査では、消費財・サービス、小売、旅行、自動車、通信、保険、インフラ分野を中心に、AIエージェントに対する生活者の受容度と、ブランド価値への影響について考察している。

購買の主導権は「自律型AIエージェント」へと移行

 2026年の生活者調査により、AIエージェントの台頭が従来のブランドロイヤルティを揺るがしている実態が判明した。特定のブランドを愛用する生活者であっても、3人に1人以上がAIの提案による他社への乗り換えを容認している。

 生活者の意識はAIに「サポートを求める」段階から「自律的な購買を任せる」段階へと移行しつつあり、この傾向は日本も例外ではない。日用品など「低リスク」な購買での成功体験を契機にこのシフトは加速すると見られ、今後は「信頼」がブランド価値を決める新たな競争軸となる。

  • 生活者のおよそ4人に3人(74%、日本:75%)が、買い物を代行させるなら、親友よりもパーソナライズされたAIエージェントを信頼すると回答した。
  • 生活者のおよそ4人に3人(74%、日本:60%)が、自らが主導権を持ち続けることを条件に、価格交渉、クレーム対応、定期注文や契約更新といった購買関連の「タスク」をエージェントに託すことに前向きであると判明した。
  • 生活者のおよそ3人に1人(32%、日本:23%)が、最終的な決済は自身で行うことを前提としつつ、価格や好みといった一定の条件の範囲内での商品選定をエージェントに託す意向を示した。
  • エージェントへの完全な購買委任はまだ一般的ではない中でも、およそ10人に1人(9%、日本:5%)の生活者が、決済まで含めた自律的な買い物をエージェントに任せると回答した。
  • 生活者のおよそ3人に1人(31%、日本:32%)は、エージェントが日用品・食料品・掃除用具の定期注文といった「低リスク」な買い物を問題なくこなせた場合、決済まで含めてエージェントに任せることに前向きになると回答した。ただし、データの保護、権限のカスタマイズ、即時のキャンセル機能、問題が生じた際の明確な補償・対応の仕組みといったセーフガードが整っていることが条件である。
  • 生活者の71%(日本:59%)が、この先1年以内に、自分のあらゆる購入判断の半分以上がAIに影響されるようになると回答した。

購買プロセスへの「情緒的関与」と「リアル店舗」の再定義

 ブランドロイヤルティは今、転換点を迎えている。購買欲求が生まれた瞬間に寄り添えなければ、長年培った愛着を失うリスクがあり、その兆しは日本市場にも現れている。

  • 生活者の半数以上(56%、日本:58%)が、どのブランドを購入候補とすべきかを、まずAIエージェントに指示すると回答した。その一方で、ある分野において、常に決まったブランドの中から選んでいるような「ロイヤルカスタマー」に限っても、37%(日本:34%)は、AIエージェントがより条件に合う選択肢を見つけてきた場合、その新たなブランドへの「乗り換え」も許容すると回答した。
  • 生活者の31%(日本:22%)が、実店舗は「心躍る体験」を生み出す場としてさらに重要になると見ており、30%(日本:23%)は、「対面でのやり取りがブランドとの信頼を築く上での鍵になる」と回答した。
  • 生活者の40%(日本:39%)が、買い物そのものを楽しんでいる、またはブランドへの感情的なつながりを大切にしているという理由から、AIエージェントを活用しながらも、購買プロセスの少なくとも一部には、自分自身で関わり続けたいと考えていることがわかった。

アクセンチュア 常務執行役員 Lead-Song, Japan 黒川順一郎氏のコメント

 「エージェンティックコマース」は、日本市場でも浸透しつつあります。AIエージェントが生活者に代わって商品の比較から、最適な選択、決済、さらには配送や返品の管理までを自律的に担うようになれば、企業が長年築いてきた従来のブランドロイヤルティは一瞬にして揺らぐことになります。

 企業に求められるアクションは明確です。AIに「選ばれるブランド」となるために、ブランド価値をAIが評価できる形で可視化すること、そして在庫管理や決済、配送、アフターサービスに至るまで、エージェント経由の購買を前提に整えることが急務です。あわせて、生活者が求める「ブランドとの感情的なつながり」や、リアルな場での顧客体験への投資も欠かせません。

 こうした対応は、単なるマーケティングやテクノロジーの局所的な課題ではなく、企業全体のビジネスモデルを再定義する全社変革そのものを意味します。その対応の巧拙が、次世代のブランド競争力を決定づけます。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/22 18:45 https://markezine.jp/news/detail/77013

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