最適化ってなんですか?
さて、年末に考えてみたい言葉シリーズの最後は、「最適化」です。3つのワードの中でも、最も聞こえがよいが、最もよくわからない言葉ではないかと思います。
最近見る企画書やパンフレットに、「売上を最大化します」や「コストを最適化します」などの文言が書かれているのをよく見かけます。批判を恐れずにいうと、このような企画書の多くは、「最適化/最大化とは『売上あがるようにがんばります!』という意味」でしか使われていないと思われます。
確かに世の中で使われている”最適化”の多くはこの意味ですが、分析屋や数字を扱うマーケッターは別の意味で「最適化」という言葉を使います。意外にこちらが知られていないので、ご紹介したいと思います。図はよくある、パーチェスファネルの一例です。当たり前ではありますが、”ある商品を買おうとしている一歩手前の人”よりも”その商品の事を知らない人”に対するマーケティングコストの方が高くつきます。
つまり、パーチェスファネルの入り口側に使うコストより、出口側のコストの方が安いということです。そのため、極端に言うと、マーケティングコミュニケーションに関わるROIを最大にするには、「今すぐ買いそうな”1人”に対してコミュニケーションすること」ということになってしまいます。
これではさすがに商売なりません。しかし、マーケティング、経営では何かしらの”目標”、もしくは”優先順位”があるはずです。コスト条件、効率条件、ボリューム(売上目標や目標獲得件数など)条件などです。これらは、背景、競合、市場環境、過去事例、経営状況、担当者の”勘”などから設定されています。
下図例のように、「量は少なくても効率重視の場合」や「多少効率が悪くなっても量重視のケース」などが考えられます。もちろん、施策ごとであれば、狙ったポテンシャルユーザーに対して、効率的に認知を獲得するといった事も考えられます。