タテ割から横軸へ、ポータルサイトの編集方針を大転換
デジタル業務部 副参事
ホームページ編集長
湯本 尚さん
テレビ局の玄関口として、従来のポータルサイトはトップページから個別の番組ページへと降りていく「タテ割」の構造となっていた。テレビ東京では、タテ割のサイト構成から「ヨコ軸」へシフトチェンジしようとしている。コンテンツを横断的に見ることができれば、サイトの回遊率を高めることができるからだ。しかし、テレビ東京ポータルサイト編集長 湯本尚氏は「タテ軸ではなくヨコ軸で、という方向にシフトチェンジするのは、クチでいうほど簡単ではない」と語る。
「単純にタテ割をヨコ軸にしてるというだけだと、見てくれる人の数は増えないで、単に横に動くだけですよね。タテ軸をヨコ軸にするだけではなくて、タテ軸をもっと強化する必要がある。人を集めて、それを動かすということを大きな目標にしています」
サイトを改善するために重視している指標をたずねると、「ページビューを増やす、ユニークユーザーも増やす、インプレッション数も増やさなければ…。ただ、今は収益に直結する指標を重視する方針のもとで動いています。
それと、テレビのポータルサイトの場合には番組と連動した“番組宣伝”という部分もあるのですが、それ以外にも独自のコンテンツをやらないといけないなとも思っています。実現するのはいつになるかわかりませんが…(笑)。」
さまざまな取組みをしながらも、湯本氏は「テレビ局らしさ」を打ち出すことの重要性を指摘する。「ビジネスも重要なのですが、どこかでテレビ局らしさ、テレビ東京らしさがホームページにないと。そこを忘れると間違った方向に行ってしまうのではないかなと思っています。まだ試行錯誤をしている状況ですが、ぜひテレビ東京のホームページを見てほしいですね」
限られたコンテンツを蛇口ごとに使い分けて成長するメディアグループへ
加藤氏は「ポータルサイトは番組宣伝サイトから、横の気づきを広げていくサイトとしたい。また、オリジナルコンテンツも充実させたい。ホームページを地上波、BSに次ぐ「第三のメディア」として確立させたいというのが我々の目標です」と語る。
2010年10月にテレビ東京ホールディングスを設立したとき、純粋なメディアグループとして結束することをコンセプトにかかげた。グループがひとつになって限られたコンテンツ資源を、地上波、BS波、ソーシャル、ネット、ラジオなどの蛇口をうまく使い分けて総合的に成長していこうというのが、経営のイメージだ。コンテンツビジネス局のメンバーは、そのデジタルという蛇口を担っている。
ひとりひとりが明確なビジョンをもち、試行錯誤を繰り返しながら前進する姿勢が強く感じられるテレビ東京。ネットとテレビの相乗効果で、これからも新たなビジネスを生み出していくことになりそうだ。
