CMOの役割は、ブランドメッセージを決定し、ビジネスの結果まで落とし込むこと
Q、先ほど日本にはCMOがいないという話しだったが、そもそもCMOとは何をする人なのか。その役割と、そしてCIOとの関係は?
「CIOというのは、ご存じのようにチーフインフォメーションオフィサーですよね。つまり彼らが責任をもってやらないといけないのは、会社の中のテクノロジーシステムです。
CMOというのはいくつかの重要な役割があります。例えばソニーというブランドをどうメッセージ発信していくのか、それを決めるのがCMOです。つまり、会社全体のイメージやブランドをどう見せるかを決める人ですね。
そして組織において実現したいことはたくさんあります。たとえば『ソニーはすごいブランドだ』って言うだけじゃダメですよね。そこからソニーがいいブランドだったら、ソニーの製品を買ってもらうところまで結び付けなくていけません。
つまりCMOは、ブランド及びキャンペーンの戦略決める人であり、ビジネスの目的が何なのかを考えることができる人です。言い換えると、なぜWebサイトを持っているのかまで考えられる人ですね。
日本はCMO不在と言われますが、日本の会社にもそのような役割を担っている人はいると思います。特にどうやって自分の会社を見せるか、その観点を重要視している人たちはいるはずです。

このようなCIOとCMOの二つの役割が、今日では非常に融合してきています。なぜかというと、消費者が様々なデバイスを持つようになってきて、彼らにリーチする手法が非常に多様化しているからです。
かつてのCMOは『キレイなイメージが欲しい。素敵なコマーシャルを作りたい』といったことばかり考えていました。でも今のCMOというのは、もっと違うことを考えなくてはいけません。消費者の多くはモバイルを持っていて、そこにどうやってアクセス・リーチするのか、Webサイトがあるならそれをどうやって消費者に見せるのかまで、考えていく必要があるのです。
ですからテクノロジーは担当ではないかもしれないが、CMOは自分たちがやりたいことを実現するためにはCIOに協力を頼まなくてはいけなくなっているのです。このようなことから、CMOとCIOのコラボレーションが必要になっています」(ロニ・カオ・スタークさん)