動画広告配信へ積極的に乗り出し始めた日本の大手広告主
「米国では、今年度の動画広告市場は4000億円規模。2016年には、倍の8000億円に達すると予測されている」と、ブライトコーブ セールスディレクターの北庄司英雄氏は切り出す。第3部は、同社より「動画配信プラットフォーム『Video Cloud』を活用した動画コンテンツの収益化」と題し、海外の最新情報を交えた動画広告の盛り上がりが紹介された。
本社を置く米国をはじめ、世界9か国で事業を展開するブライトコーブは、各種オンラインメディアの動画配信をサポートしてきた。特に動画広告に関してはメディアと広告主をつなぐ役割を果たし、市場の拡大に寄与している。
同社によると、米国で右肩上がりの勢いのある動画広告市場の様相を、今まさに日本が追随しようとしているという。実際に現在、食品や化粧品などのメーカー、通販、物流、金融などさまざまな業界の日本を代表する大手企業が同社のクライアントとなり、動画広告の配信に積極的に乗り出している。
「国内における動画DSPも本格始動している。これらの状況を見ると、オンラインメディアにとっては今が動画広告配信を整備する大きなチャンスだと感じる」と北庄司氏は強調する。特に、前述の本編コンテンツが流れる前に挿入する「プリロール動画広告」への注目が高く、YouTube内の同広告は非常に盛況だという。
今こそ動画コンテンツの収益化のチャンス
例えば、米紙「ニューヨーク・タイムズ」やメディア企業「WIRED」の動画ポータルサイトでは、ブライトコーブの動画配信プラットフォーム「Video Cloud」を活用しプリロール広告を導入している。「こうしたメディアのサイトでは、CTRが特に高い。また、FEP(Full Episodo Player:広告の完視聴率)は『Hulu』などの動画コンテンツ提供サイトで高い」と北庄司氏。
広告自体の最適な長さはテレビCMと同じく15~30秒だというが、視聴者にとって価値のあるコンテンツに付随する動画広告ほどしっかり見てもらえると言える。「コンテンツとのマッチングを考えても、メディア企業や大手動画配信サイトでのプリロール広告はブランディングに向いている」(北庄司氏)
一方、メディア側が動画広告を効果的に扱うには、広告の流通を活性化させるVAST(Digital Video Ad Serving Template)、よりリッチな動画広告を扱えるVPAID(Digital Video Player-Ad Interface Definitions)といった業界の統一規格に準拠したプレーヤーが求められる。広告配信設定が簡単にできる管理画面やHTMIL5への対応、各種アドサーバーおよびアドネットワークとの統合も不可欠。「これらの要件を動画配信プラットフォーム『Video Cloud』はすべて満たしているため、メディアの広告収益を最大化することができる」と北庄司氏。米国での導入実績がその大きな証拠だ。