プロモーションの主導権を握っていますか?
――スマートフォンユーザーの拡大に伴い、モバイル広告市場がますます伸張しています。同時に効果測定ツール選びに悩む広告主も増えていますが、アメリカでは売上ランキング上位のアプリの約半分が、HasOffers(ハズオファーズ)の「MobileAppTracking」(以下、MAT)を導入しプロモーションの最適化を行っていると聞きました。同社の事業部長を務めているMicah(マイカー)氏にうかがいたいのですが、MATがそこまで業界をリードしている理由は何でしょうか?
Micah氏:ひとことで言えば、信頼できるツールだからでしょう。HasOffersはいずれの広告会社にも属さず、あくまで中立的でアンバイアスな第三者的な立場から信頼性の高いモバイル広告測定プラットフォームのMATを展開しています。モバイル広告測定ツールは世界中に複数ありますが、日本でも実績のある中立的なツールはMATだけではないでしょうか。
――“中立”ということは、どのようなメリットがあるのでしょうか?
Micah氏:中立的な効果測定ツールを使うと、広告主がデータのオーナーシップを持つことができます。逆に言えば、今日本で主流になっている無料効果測定ツールや、有料でも中立的ではないツールを使っている場合、プロモーションの主導権を広告主が執れていないことが多いと思います。
自社の活動で得られたユーザーの行動データなどが、そのツールを使う競合のターゲティング広告に反映されたり、測定データに基づいてツール運営会社が広告販売をしていたりするケースがアメリカやヨーロッパでも目立ちます。
無料のツールから、中立的な効果測定ツールに切り替える潮流
――特に無料のツールだと、どこかほかの部分でマネタイズする必要があるので、それが広告販売につながったりするわけですね。その部分で、効果測定の結果にもバイアスがかかる場合があると。
Micah氏:もちろんすべてではないでしょうが、実際にアメリカではそういった偏りや、ツールを提供する代理店以外とパートナーシップを組めないこと、実際のデータがどう使われているのかを把握しきれないことなどを理由に、多くの広告主が中立ではない無料ツールからMATへと切り替えています。
広告主は、企業のコンプライアンスの観点でも、マーケティングをフレキシブルに実行するためにも、データのオーナーシップを持つことは重要であり、それが競争力に繋がっていくという考え方が広告主の中で拡がってきています。
MATの場合、得られたデータをどう使うかを、完全に広告主がコントロールすることができます。提携するパートナー事業者にのみ開示する、または複数の同業事業者に提示して広告戦略やコンサルティングの確かさをチェックすることも可能です。同時に、プロモーションのノウハウは自社に蓄積していきます。
広告主のデータの扱いに対する理解が深まるに従って、無料の効果測定ツールや有料の中立ではないツールが廃れていく流れは、日本でもこれから起こるだろうと考えています。
――今、MATはアメリカ以外ではどこに展開しているのですか?
Micah氏:HasOffersはアメリカではシアトルとサンフランシスコ、ニューヨークの3拠点、国外ではロンドン、ベルリン、テルアビブ(イスラエル)、ソウルにもチームがあります。各国・各エリアでMATを展開し、現在3,000以上のアプリに導入されています。