米国での動き〜プログラマティックテレビの台頭
講演の後半でサロップ氏は米国の最新事例の話に触れた。こうしたプログラマティックビデオについて、米国ではさらにテレビ広告枠の買い付けにまで及んでいるという。
チューブモーグルでも、米国にてGRP(延べ視聴率)単位でのメディア買付けが可能な「BrandPoint」を提供。テレビ&ネット視聴率調査会社ニールセンの「Nielsen Online Campaign Ratings」のGRP(延べ視聴率)データをベースに、バイヤーはターゲットの年齢・性別を選び、予算を入れると自動的に買い付けができ、さらに最適化されるというものだ。
米国での発表以降、「BrandPoint」は順調に広がっているというが、その理由について、サロップ氏は次のように分析する。
「『BrandPoint』によってクロスメディアプランニングと予算配分を一体化して単純化できた。そして、オンラインの視聴者に対して最適化された配信が確実に行なわれ、それがデジタルメディア上のターゲティングへも活かせる。
さらにキャンペーンのパフォーマンスとオーディエンスリーチをビデオとオンラインで共有する際に共通指標を提供できることも大きい。そして、テレビのバイイング担当者は、過去のパフォーマンスデータの活用が可能となり、オンライン動画の在庫にリーチする機会を増やすことができる」
チューブモーグルでは、2014年12月に米国にてテレビ広告枠をチューブモーグルプラットフォームから買い付けできる「プログラマティックテレビ」の提供を開始している。この特徴は、テレビの広告枠をオンライン動画広告枠のように簡単に取引できることだという。
テレビ広告在庫は、チャンネルあるいはMSO(CATVを統括運営する会社)から専門のSSPを通じてチューブモーグルに提供され、このシステムにシームレスに連結している。10チャンネル以上のホワイトリストを含む60チャンネル以上から選択ができ、配信時間やエリアを限定して配信することもできる。
サロップ氏は「テレビ広告業界は国によって状況や商習慣が異なるので、日本ではどのような形になるかわからないが、チューブモーグルはそうした国の習慣にあわせてサービスを柔軟に対応させている。今後に注目してほしい」と語った。