“やりたくてもやれなかったこと”を実現する
マーケターのアイデアを実現するためには、システム部門などに依頼して顧客データを抽出してもらわないと、前に進まないことは多々ある。例えば、こんな施策をやってみたいけど、なかなか手が回らなくて、断念していることはないだろうか。
起点日ベースのセグメントによる、タイミングを逸しない販促
- 記念日優待クーポンの送付
- フォローアップ施策
- 平均購入間隔を使ったキャンペーン案内の送付
購入履歴ベースのセグメントによる、購買傾向に合わせた販促
- VIP向けシークレットセール
- セット買い(併売)促進の施策
- 休眠顧客を再稼働させるための施策
行動履歴ベースのセグメントによる、顧客行動に合わせた販促
- クリックしたURL(閲覧ページ)でセグメント
- かご落ち(カートからの離脱)に対するフォロー
- サイト訪問後のフォロー
- 閲覧ページにもとづくスコアリング
アンケート回答ベースのセグメントによる、嗜好に合わせた販促
- アンケートで顧客の声を聞き、顧客データに紐付ける
- 購入動機や利用用途・嗜好・生活スタイルに合わせた販促
「これらの施策をスピーディーに実現するだけでなく、継続的に続けるためには、マーケティングオートメーションは不可欠です」と鈴村氏は語り、カスタマーリングスの管理画面を用いながら、デモを披露した。
カスタマーリングスでは、非エンジニアでも直感的に使えるよう、顧客を条件によってフォルダで管理できる。“直近1年以内で5回以上買っている人”という優良顧客のフォルダを作って、セグメントしていく要領だ。
カスタマーリングスから直接メールも配信できるため、“誕生日から30日前”というフォルダを作って原稿をセットしておくと、毎日自動計算をして、対象者に決まった時間に、記念日優待クーポンのついたメールを配信するといったことが自動化できる。カスタマーリングスを使って、実際にどういう企業がどんなシナリオを組んでいるのか、事例を見てみよう。
健康食品の場合、サンプル購入後から1か月間が勝負となる。そこで、購入商品の発送日を起点として、ステップメールをセットしておく。送ったメールに対する反応によって、シナリオから離脱した顧客を除外し、別のメールを送るところまで自動化できるところがポイントだ。
ECでよくありがちな「かご落ち」と呼ばれる現象。カートに商品を入れたにもかかわらず、途中で離脱してしまうことである。カスタマーリングスでは閲覧ページのデータも顧客情報に紐付けられるため、かご落ちした顧客に対して、数日後にかご落ち商品の在庫案内や利用可能なポイントの案内などを、狙い撃ちで送ることができるのだ。
最後に、BtoBの事例もご紹介しよう。BtoBでは、リードナーチャリングに活用できる。単なるメルマガのA/Bテストを行うだけでなく、本文中のどのURLをクリックしたら何点、どのページを見たら何点といったように、顧客の行動履歴に応じてスコア化することが可能だ。
また、それが顧客データにも紐付いているため、部長なら8点、課長なら3点、大企業なら10点など、カスタマーリングスの中で見込み度合いを管理できる。適切な情報を提供してコンタクトをとりながら、最適なタイミングで営業につなぐことで、検討期間の長いBtoBでも、マーケティングオートメーションは効果を発揮する。
「シナリオを作っておけば、集計作業はすべて自動化できます。まさに、ここからが人がやるべきこと。検証・分析から次のアクションへと、思考を妨げずにやることがマーケティングオートメーションの非常に重要なポイントです」(鈴村氏)
︎すべてのレスポンスが見える化されると”アイデア”が浮かぶようになる!
マーケティングオートメーションによって、経験で推測していたことが、リアルタイムに見える化されるようになる。これまでの経験とデータを掛け合わせることで、また新たなアイデアが浮かぶようになるという好循環が生まれる。
「マーケティング業務におけるPDCAの中で、今までは90%くらい単純作業に割かれていたのではないでしょうか。マーケティングオートメーションによって、その時間の大半をPlanに使えるようになる。人がやるべき『アイデアを生み出すこと』に注力するために、ITの力を借りて自動化できるところは自動化するということが、これからの時代におけるマーケティングです」と語り、鈴村氏は講演を締めくくった。