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統括編集長インタビュー

広告は、決して嫌われるものではない 「北欧、暮らしの道具店」×「一番搾り」コラボ成功のカギ


尖ったメディアを介してエンゲージメントを築きたい

押久保:なぜ、エッジの立ったサイトを、と考えられていたのですか?

加藤:一人の人の関心って、ひとつではないですよね。音楽も映画も好きだし、フランスも料理も好きだったり。当社の商品は1ブランド1ターゲットではないので、複数の関心軸のメディアに出稿して、どこへ行っても何かしらキリンが載っているといいなと思ったんです。

 それで本当にたくさんのWebメディアを調べたのですが、尖っていて質の高いユーザーを捉えているメディアはほとんどなくて。「北欧、暮らしの道具店」がずば抜けて尖っていましたね。

青木:Webメディアは雑誌に比べて著しく広告単価が低いので、端的にいうと、セグメントするとマネタイズできない。その点、僕らはECなので、収益構造上でユーザーの絞り込みが可能なのです。

押久保:なるほど。今回は「一番搾り」を取り上げていますが、元々決めていたのですか?

加藤:いえ、最初はサイトやユーザーとの親和性を考えて、クラフトビールを考えていました。でも最初の青木さんとの打ち合わせで「人は心のこもったものに囲まれていたい。マスプロダクトがいかに真摯につくられているかが分かったら、それは消費者にとっても幸せなことだ」というお話を聞いて、感動して。その場で一番搾りに変えました(笑)。

青木:決断、速かったですよね(笑)。

加藤:一番搾りは当社の花形商品です。ただ、どこにでもある商品だからこそ、つくり手の「幸せを提供したい」という思いを伝えられていなかったので、ぜひこの機会にと思いました。

KPIとした「いいね!」数が著しく高い数値に

押久保:では、KPIと結果をうかがえますか?

加藤:3回構成で、1回目は「今日のささやかな幸せ」をテーマにしたコラム、2・3回目はパーティシーズンだったので、一番搾りを交えておもてなしのコツや料理を紹介しました(コラボページリンク)。

 SNSの反応とシェア数を拡散指標とし、コストを見ながら他の出稿メディアと比較しました。PVやUUも取っていますが、参考程度です。

 今回の取り組みは決して低コストではないですが、それに比してもSNSの反応が著しくよかったです。3回とも、Facebookは「いいね!」1,500強、約20万リーチ。Instagramは7,000Likeほど。PVとUUはいずれも2万6,000~3万で、ボリュームも担保した上での反応だったので、手応えを感じています。

押久保:定性的な指標はありましたか?

加藤:はい、アンケート回答を態度変容の指標としました。実際、Web出稿がどれだけ売りにつながるのかという議論もありますが、どこででも買える商品なので、態度変容が起これば買う可能性も高いと捉えました。

 インセンティブなしだったのに、これも数が多かったです。商品への共感やメッセージ伝達などの選択解答からは、いずれも80%以上のポジティブな反応が得られました。

 自由回答も多く、「日々の何気ない出来事に幸せがあるんだと気付いた」「一番搾りは幸せがたくさん詰まったビールだったのですね」といった言葉からは、つくり手の思いが伝わった実感がありました。「北欧、暮らしの道具店のユーザーとキリンのビールがとてもマッチした記事だった」など、親和性にも好感を持たれていました。

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つくり手の姿勢が共感を生み、商品が身近になる

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/30 16:21 https://markezine.jp/article/detail/23845

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