動画マーケティング最大の壁
Viibarでは様々なマーケティング部署の方から動画マーケティングに関する相談を受けていますが、その中で最近よく耳にするのがこの種のお悩みです。
「動画施策をやってみて、ある程度の手応えはあった。しかし、結局上手くいったかどうか、成果を測る方法が曖昧で、次のアクションに踏み出せないでいる」
今や動画を視聴する行為が日常的になったことや、動画マーケティングの有効性が徐々に広まってきたこと、競合企業が動画を始めた、など様々な理由から、2014~2015年にかけて多くの企業がまずは動画を一度使ってみようと考え、動画マーケティングの最初の一歩を踏み出しました。
その結果、徐々に最初だからという理由で荒削りで許された時期は過ぎ去り、動画を戦略的に使う計画を立てて、実行した結果を評価するPDCAサイクルが求められはじめています。
そこで今回は、第2回で紹介した動画活用戦略モデル「SHHIP」を振り返りつつ、動画を戦略的に使い、結果を評価するための方法、KPIについて考えます。ポイントは、「動画と購買ファネルの対応」と「各動画のパターンに沿ったKPI」です。それぞれ検討していきましょう。
購買ファネルとの対応
まずは、SHHIPについて簡単におさらいしましょう。
SHHIPは動画活用のパターンを整理したフレームワークで、視聴者がSNS上で友達に紹介したくなるほど心を動かすStar動画、検索した疑問に対する答えを提供するHelp動画、続きを見るために何度も訪問したくなるHabit動画、他人のコンテンツに差し込んでメッセージを伝えるInsert動画、購入を迷っている人の背中を押すPersuasion(パースエイジョン)動画の5つから構成されます。
そして、それぞれのパターンごとに、動画のターゲットも違えば、内容も、作るべき本数も変わってきます。
SHHIPでは、消費者との接触の流れにおける、様々な動画の位置づけを整理しています。
一方、皆様が普段取り組むマーケティングの実務においては、いわゆる購買ファネル(消費者がある商材を知り、関わり、利用し、リピートする一連の流れを整理したフレームワーク)に基いて施策を整理することが多いのではないでしょうか。
そこでViibarでは、SHHIPと購買ファネルの関係を以下のように整理し、動画の活用パターンとその狙いを紐付けています。
中央の矢印を基準にして、上が商品に関するファネルで、商品について知り、関心を持ち、購入し、リピートする流れを示します。下がブランドに関するファネルで、ブランドを知り、好感を持ち、ロイヤリティ(忠誠)を感じる、という流れになります。
一般的にマーケティング活動では、このブランドと個別商品のファネルの双方に対する働きかけが必要とされます。そして、動画の活用パターンはそれぞれ異なるファネルに対応しており、この対応関係を意識することが重要です。