先進企業はデジタルマーケティングでどう成果を上げている?
日本マイクロソフトでは、デジタルマーケティングプラットフォームとして利用できる「Microsoft Azure」を活用して同プラットフォームの販売促進を行っている。あらゆるタッチポイントを徹底的に把握し、すべてをデータ化した後分析、ナーチャリング。最終的には、デジタル上でのクロージングを実現するものだ。
同社にて「Microsoft Azure」のプロダクトマネージャーを務める相澤克弘氏は、企業がマーケティング予算の大半をデジタル関連に費やしている流れを受け、同製品も年々倍増の勢いで企業での活用が進んでいると明かす。
「データ分析をうまく活用する企業が好業績を上げているのは、調査からも明らかになっています。それに関連して、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)やCMT(チーフ・マーケティング・テクノロジスト)のような、マーケティングとテクノロジーの両方のバックグラウンドを持つ人材が求められています」(相澤氏)
一方で、多くの企業がデジタルマーケティングに課題を抱えているのも事実だ。ツールが次々と登場し、データの種類も複雑化しているのに加えて、デジタルマーケティングが成熟するほどに組織が分断化していく難しさもある。
こうした問題を、先進企業はどのように解決しているのだろうか? 本講演では相澤氏に続き、Microsoft Azure活用企業でもある良品計画から、Web事業部CMTの濱野幸介氏が登壇。同社のこれまでのマーケティング変遷を踏まえた実例が紹介された。
店舗とネットが対立していた1.0時代
濱野氏は、2013年に小売業などの経営支援を行う企業のCTOに就任し、スマートフォンアプリ「MUJI passport」の企画開発や運営に携わる。その後、2015年より良品計画のCMTとして活躍している。本講演のタイトルに冠された「MUJI DIGITAL Marketing 3.0」という呼称からも分かるように、同社は早くから熱心にデジタルマーケティングに着手。1.0、2.0の時代を経て、現在では3.0としてソーシャルメディアの活用や最新のデータ分析を交えながら、デジタルを通した店舗送客や売上向上に取り組んでいる。
元々、西友のプライベートブランドから始まった「無印良品」は、現在では生活雑貨から食品、家具家電まで約7,000品目を展開する。最近では家の販売、キャンプ場の運営と新事業も展開・拡大し、海外への進出も目覚ましい。
濱野氏は、過去の笑い話として、デジタルマーケティングを模索し始めた「1.0」時代のこんなエピソードを紹介する。2000年代初めにネットストアを開設したころ、とある店舗の店長が、カタログ内のネットストア紹介ページを切り取ってしまっていたのだ。
「店長いわく、店の売上が取られてしまうからと。当時はまだまだEC利用者は少なかったですが、店は店、ネットはネットとまったく融合ができていなかったので、そのように思われてしまったのでしょう」(濱野氏)
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