「Microsoft Azure」でダッシュボードを作成、店舗支援へ
良品計画では現在、Microsoft Azureでのデータ分析を通してさまざまな施策を展開する傍ら、店舗の店長やエリアマネージャーの営業支援になるような分析結果やツールを提供している。
たとえば同社のヒット商品「体にフィットするソファ」、通称“人をダメにするソファ”の売上を分析すると、特に20代から30代の男性が2014年春の増税後にも関わらず、購買するケースが多かったという。「全商品でみると男性は購買の波が少ないため、これは意外だった」と濱野氏。
レトルトカレー「マッサマン」の割引クーポンを配信した際には、利用者のリピート状況を追跡。10%が同商品を、34%が同商品を含むカレーを購入していた。こうしたデータを次の施策に活かしているという。
また、店舗への営業支援として、たとえば店長には来店客の属性や購買状況を週次や月次でレポート化し、印刷して確認できるようになった。商品担当者には簡単に高度な分析ができるダッシュボードを用意し、先のソファの分析のように、特異的な売れ行きの確認や商品間の比較ができるように整備している。
「今、Microsoft Azureのデータウェアハウスには2億件から4億件ものデータが蓄積されている状態です。それでも、約15種のピボットテーブルを更新するのに1、2分ほど。商品担当者など誰にでも使いやすく、ボタンひとつで操作できるのも重要です」(濱野氏)
機械学習機能「Azure Machine Learning」に熱い期待
濱野氏は今後の展望について「機械学習などを用いて、より無印良品らしいレコメンデーションの開発や需要予測に取り組みたい。また、カスタマイズしたツールの提供を強化して、現場の分析力も高めていきたいですね」と語る。膨大なデータを直感的かつスムーズに分析できるだけでなく、自社の状況に合わせて柔軟に次の取り組みを描けるところも、Microsoft Azureの利点だといえるだろう。
今回、良品計画が主に活用を紹介したのは、Microsoft Azureのさまざまな機能のうちの「Microsoft Power BI」という分析システムだ。日本マイクロソフトの相澤氏は、「ほかにも大量なデータをスケーラブルに蓄積しつつ高速に処理するデータプラットフォームや、高度な分析でのレコメンデーション提供によりマーケティングを強力に推進できる機能を揃えている」と説明する。
特に機械学習の機能としては、クラウドで機械学習を提供する「Azure Machine Learning」がある。非常にリーズナブルな価格で、さまざまなクラス分析やクラスタリング、相関分析を通してレコメンデ―ションの精緻化や各種予測に活用できる。
相澤氏は「濱野様がおっしゃっていた機械学習をはじめ、データ分析やレコメンデーションなど今後も良品計画のデジタルマーケティング推進をトータルでサポートしていきたい」と語り、講演を終えた。
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