検索キーワード「ニキビ 食べ物」で本当は何を知りたい?
ファベルカンパニーのコンテンツ企画・設計は次の3つの手順に大きく分けられる。順にどのようなことを行ったのか見ていこう。
- サジェストキーワードで仮説立案
- 具体的な検索意図の把握・分類
- 詳細なテーマと内容の企画設計
1.サジェストキーワードで仮説立案
Googleの検索窓に文字を打つと表示される候補キーワード “サジェストキーワード”を分析することで、今のユーザーニーズを探ることができる。サジェストキーワードは主にユーザーの検索頻度に応じて表示されると言われているが、キーワードによってはその種類と数は膨大。目視での分析には限界がある。そこでMIERUCAを活用すれば、キーワードの関連度を可視化することが可能だ。
分析の結果、「ニキビ 食べ物」と検索する際に知りたいであろう事柄には「ニキビと食べ物に関係はあるのか」等も含まれると推察。さらに、個々のキーワードの検索ボリュームを調べると、特に“ニキビに良い(効く)食べ物を知りたいのでは?”という仮説も立てられた。
2.具体的な検索意図の把握・分類
「これだけではまだ浅い。次にキーワード間の関連性を見るためにコレスポンデンス分析を行いました」と月岡氏。コレスポンデンス分析とは対応分析とも呼ばれ、多量のデータを視覚的に捉え分類しやすくするものだ。今回のケースでは、「ニキビ 食べ物」の各種サジェストキーワードで検索したときに、上位に表示されたページのタイトル文を分析した。
その結果、“ニキビに良い、悪いなど食べ物との関係性の有無を知りたい”、“みかんやビタミン、レシピなど、良いものを知りたい”、“肌荒れするお菓子やコンビニなど悪いものを知りたい”など主要な検索意図(インテント)を読み取ることができた。
詳細なテーマと内容の企画設計
「ここまでで、現在のコンテンツに不足しているテーマを追加することが改善になりそうだとわかりました。では、具体的にどのような内容をコンテンツに落とし込めば良いか。それを考えるのが3番目のステップです」(月岡氏)
「ニキビ 食べ物」で検索したときに、上位表示されるコンテンツで使われている言葉を抽出。それらが出現する回数を調べるとともに、そのテーマにおける言葉の重要度の判断をMIERUCAで行った。ここでいう重要度とは、「ニキビ 食べ物」というテーマ・トピックにおいて、その言葉がどれくらい特徴的かということだ。
例えば、下図の「原因」と「ビタミンB」という言葉を見てみよう。リストは上から順に重要度の高いものが並んでいる。言葉の出現回数は「原因」の方が124回と多いが、出現回数50回のビタミンBの方がリストで上位になっている。「ビタミンB」という言葉が「ニキビ 食べ物」というテーマにおいて「原因」という言葉よりも特徴的であるとMIERUCAが判断しているからだ。
この分析の結果、「ビタミン」や「食物繊維」などの栄養素のテーマ・トピックが多く出現したため、“ニキビに良い食べ物を紹介する際には、食材だけでなく栄養素の話まですると良さそうだ”ということがわかった。
改善した瞬間、順位が急上昇! アクセス数は10倍に!
これらの分析結果を踏まえて、下図のように既存のコンテンツは残しつつ、新たなテーマを追加するなどして再構成した。
改善したコンテンツを公開すると、「ニキビ 食べ物」による検索順位が5位まで急上昇。さらに3か月後には4位となった。セッションを比較すると、リフォーム直前の3か月間とリフォーム後3か月間で約10倍のアクセス増に。それからさらに順位は上がり、現在は1位に表示されている(2016年7月16日現在)。
また、ファベルカンパニーはコンテンツへの流入キーワード数(種類)も重要だと考える。「検索キーワードはユーザーニーズの現れです。その獲得種類が多いほど多くのニーズに応えていることになり、コンテンツの価値の一つになると考えています」と月岡氏。その数値を見てみると、リフォーム前と比べるとリフォーム後は約3倍の流入キーワードを獲得し、より多くのユーザーニーズに応えられるようになったといえる。
MarkeZineDayで『ニキペディア』のさらに詳しい取り組みが分かります!
MarkeZine Day 2016 Autumnに月岡氏と元ニキペディア編集長の藤原 尚也氏の登壇が決定しました。本記事で紹介しているコンテンツ改善事例も含めて、より詳細に語られる予定です。ぜひ、講演にご参加ください!
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『ニキペディア』編集長に聞く、コンテンツマーケティング成功のコツ
日時:2016年9月9日(金) 15:55~16:35
場所:ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区神田駿河台4-6)
入場料:無料
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