生活者との関わり方と三つのコミュニケーション
では、生活者とのコミュニケーションにはどのような種類があるのでしょうか。
生活者とのコミュニケーションは、大きく三つに分けることができます。一つ目は、企業が情報を一方的に届ける「プッシュ型」のコミュニケーションです。二つ目は、生活者が自ら欲しい情報を能動的に探す「プル型」のコミュニケーション。三つ目は、企業と生活者が双方向的に対話し情報をやり取りする「マルチコンタクト型」のコミュニケーションです。

企業のブランド認知や集客後に商品購入への後押しを行うために、生活者にとって必要な情報とはなんなのか。企業と生活者の関係を継続的に保つために、短期視点で見るのではなく中長期視点で見て、三つのコミュニケーションの特徴を理解しましょう。最適なコミュニケーションにより、必要な情報を適切な生活者に届け、共感してもらい、関係を築きあげることが重要です。
垂直統合で、一貫性を保ったメッセージを顧客ターゲットに届ける
コミュニケーションを企業のビジネスプロセス視点でみた場合、これまでは、事業部ごとに生活者とのコミュニケーションを図る「水平分散したコミュニケーション」が行われてきました。しかし昨今では、より生活者の状況に合わせてコミュニケーションを最適化するため、事業部をまたいだ「垂直統合したコミュニケーション」が不可欠となっています。

「水平分散したコミュニケーション」では、事業部ごとに広告の訴求軸やデータの管理方法が異なるため、特定の顧客ターゲットを絞り込み、一貫性を保ったメッセージを届けることは困難です。
一方、「垂直統合したコミュニケーション」では、事業部ごとに広告の訴求軸やデータ管理の方法をDMP(データマネジメントプラットフォーム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールで共通化することで、属性情報や行動情報を起点に特定の顧客ターゲットを絞り込み、一貫性を保ったメッセージを届けることで、企業と生活者の双方向でのコミュニケーションを取ることが可能です。