PVや滞在時間だけでなく広告とチケット購買にも成果
MZ:そうなんですね。では、導入後の成果をうかがえますか?
市川:4月20日に画像レコメンド機能を導入してから、今までリーチできなかった“横回遊”が17万回以上なされました。また導入前の1~3月と5~7月の3ヵ月ずつで比較したところ、大きく3つの側面で効果が上がっていました。ひとつはフォトギャラリー訪問ユーザーの平均訪問PVが23%増加、平均滞在時間が5%増加など、サイト接触の質・量ともに伸びました。
次に、フォトギャラリーを訪問した上でチケット購買をしたユーザーが、UUベースで30%増加していました。これはいちばん驚いた成果でしたね。記事より画像が直感的なアクションを促せることも、実感しました。
そこで、ウレぴあ総研を訪問かつチケットぴあも訪問したユーザーの各セグメントのUU数を確認したところ、ウレぴあ総研でよく扱うカテゴリーに関しては、セグメントのUU数が平均20%増加。それ以外のジャンルの増加は、6%の増加にとどまっていました。UUが増え、セッション数が多くなっているということは、リーチできるオーディエンスが増えるため、弊社のDSP事業にも寄与しているとわかりました。
MZ:フォトギャラリーを閲覧するユーザーは“熱い”ことが証明された形ですね。そのユーザーにリターゲティングをかけることもできますか?
市川:もちろん可能です。チケットぴあで得られるビッグデータを含めてDMPで分析し、相性のいいカテゴリーの掛け合わせを把握すれば、ピンポイントで横回遊を促すリターゲティングをかけられると思います。
フォトギャラリーの回遊を高めることで、全体の広告パフォーマンスの向上も見込めます。見直しを考えていたページでしたが、ここを活性化できればCTAの後押しにもなると見込んでいたので、理想的な活用に近づいて手応えを感じています。
データ活用を多軸化し、ユーザー像をより明確に
MZ:最後に、今後の展望をうかがえますか?
市川:まだ導入して間もないので、引き続き回遊性を向上させながら、広告収益にも力を入れていきたいです。また、フォトギャラリー訪問かつチケット購買ユーザーが30%増えたことは、当社全体においてもインパクトになるかと思うので、メディアのマネタイズだけでなく態度変容への貢献にも期待しています。
チケットぴあは、チケットを買うために来るサイトなので、ログイン率が約70%と高く、ユーザー属性や音楽、スポーツ、演劇などライブエンターテイメントに関する購買情報、興味関心情報は取れているんですね。ですが、チケットをあまり取り扱っていないグルメやライフスタイルなどのカテゴリーはウレぴあ総研のデータが蓄積されているので、これらをうまく多軸で掛け合わせることで、よりユーザー像が明確になります。
そうするとチケット取り扱いの営業にも好影響なので、データ取得の側面でも横回遊をもっと推進していきたいと思います。
山本:広告に関しては、今ちょうど案件を流し始めています。popInは動画クリエイティブも強みのひとつなので、動画広告も入れています。動画だとメディアに返せる収益も高いですし、フォトギャラリーという性質上、ユーザーの視聴態度も動画を観るのにマッチしており、ノイズになりにくいんです。なので、広告効果も期待できると思います。
我々のクライアントには、フォトギャラリーからCTAボタンで購買に結びつけるといったEC機能を備えたメディアは多くないので、今回のデータはありがたい結果でした。今後も技術開発に注力しながら、好事例を上げていきたいです。