※本記事は、2017年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』21号に掲載したものです。
3.11を機に加速したクラウド化の流れ
株式会社HDE クラウドセールス&マーケティング ディビジョン
デジタルマーケティング 部長 水谷 博明(みずたに・ひろあき)氏
広告代理店/広告制作プロダクション/ Webコンサルティング会社/ ITクラウドサービスベンダーにて、営業を10年、Webマーケティングを10年経験。現在はBtoB事業を展開するHDEにて「営業マインドを持ったマーケター」としてインサイドセールス 兼 デジタルマーケティング マネージャーという天職と思える立場に従事し、CRMとMAツールを駆使した「営業×マーケティング」を共存させた仕組構築を行っている。
――今回はBtoBマーケティングを特集テーマに据えました。御社は、先日マルケトのユーザー会に登壇した模様をMarkeZineで紹介したりしましたが、組織づくりや営業との連携がとてもうまくいっている印象です。まずは、主な事業とその状況について伺えますか?
HDEという企業名から、外資系とよく思われるのですが、社長を含めて現役員3人が学生時代に立ち上げたベンチャー企業で、今年で21期目になります。IT・クラウドサービスを100%自社開発しており、メインはクラウドセキュリティサービスの「HDE One」で、Microsoft Office 365およびGoogle G Suite向けのサービスとしては市場シェア7割以上を占めています。
――21期目ということは、今でこそクラウドが主流ですが、どこかのタイミングでいわゆるオンプレミスからクラウドへの移行があったのですよね?
そうですね。元々は、各社にサーバールームがあって、物理的にハードウェアを企業に納品して運用するという形態でしたし、当社も同じようにしていました。その頃はどの企業もITシステム構築をパートナー企業に委託していて、その企業が問屋のような立ち位置になって、当社とクライアント企業の間に存在していました。なので製品の情報収集なども、その代理店が担っていました。
転機となったのは、3.11の東日本大震災です。それ以前からクラウド化への流れはあって、当社もクラウドサービスのローンチを準備していました。私がデジタルマーケティング担当としてHDEに入社したのもその頃で、これから主流になるだろうWebでのリード獲得とナーチャリングがミッションだったんです。そこへ震災が起こり、サーバールームをはじめ自社で保有する物理的なシステムに打撃を受けた企業が多数出ました。オンプレミスの環境だと従業員とのメールも機能せず、事業がストップしてしまうという恐怖を、多くの会社が感じたと思います。