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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

SNS時代をしなやかに勝ち抜く 「チェキ」V字回復の秘訣

写真を飾る楽しさをネット上でも体験

――ユーザーのトレンドを踏まえたラインアップとともに、今おっしゃったようなチェキ写真の楽しみ方の提案にも注力されています。具体的な施策をうかがえますか?

 日本でプラットフォームにしているのは、「チェキプレス」というWebサイトです。チェキがある生活の楽しさを提案・発信するサイトとして運営しており、使い方講座や著名人のチェキにまつわるインタビューなどのほか、「instax SHARE SP-2」用のアプリ「instax SHARE PARTY」を女子会で試してもらってその模様をレポートしたり、新商品発表会の様子をお伝えしたりと、いろいろな切り口で月15本ほどコンテンツをアップしています。同時に公式SNSアカウントも運営しているので、そこからの流入も図っています。

――女子会企画などには、インフルエンサーを起用しているのですか?

 そうですね、そういうこともあります。企画によってはYouTuberと組んだりもしています。いずれにしても、作られた出し方ではユーザーも魅力を感じないと思うので、リアルに使ってもらって率直な反応を盛り込むようにしています。

 スクエアのスマホ用プリンタ「instax SHARE SP-3」の発表会にはインフルエンサーの方々を招いて、実際にスクエアプリントを体験してもらい、SNSにもたくさんアップしてもらいました。

 スクエアの写真は芸術性や表現性が高く、飾って形になるので、凝った写真表現と同時に飾ることの提案にも力を入れています。チェキプレスとは別に「MYSQUARE GALLERY」というプロモーションサイトでアーティストの方々に写真を発表していただきながら、ユーザーの皆さんもスクエア写真を投稿してバーチャルギャラリーを楽しめるようにしました。

「MY SQUARE GALLERY」
「MY SQUARE GALLERY」

アナログであることがエンターテインメントに

――若年女性以外に、日本で狙っているターゲットなどはありますか?

 ボリュームゾーンではありませんが、コンパクトで子どもでも扱いやすい「チェキ」は、犬や電車など16種のテーマが設定された「写真のない図鑑」と組み合わせ、子どもが撮った写真を埋めて、自分だけの図鑑を作って楽しんでもらうよう提案しています。こちらは、各幼稚園に設置・配布している冊子媒体とタイアップして、3つほどの園で先生方、子どもたちの意見を聞いたり、実際に体験してもらった様子を冊子の記事にしたりといったプロモーションを展開しました。

――欧米でも人気とのことで、グローバルでますますたくさんのユーザーが増えていきそうですね。最後に、さらに成長させるための課題や展望をうかがえますか?

 当たり前ですが、この先もユーザーのトレンドをしっかり読むことが大事だと思っています。たとえば直近だと、最近の若い人はもはやアナログかデジタルかも意識しておらず、強いて言葉にするならアナログをひとつのエンターテインメントとして楽しんでいる様子があります。そこで、先ほどお話しした「instax SHARE SP-2」用のアプリでは、ツーショットを撮った二人の相性がチェキプリントに現れてくる仕掛けなどで、あえて画が出てくるまで待つドキドキ感を演出しています。効率も非効率も関係ない、手間をかける楽しさを提供して、そこからリアルなコミュニケーションが生まれるように。それがまた、チェキらしさでもあると思います。

 今日新しかったものが明日にはもう古くなる、進みが速い時代ですが、それをしっかり先読みして次の商品やサービスに活かしていくことが大事ですね。ただしそのときは、必ず「チェキの良さに合致するか」をよく議論していきたい。たくさんやりたいことはあるのですが、盛り込みすぎるとユーザーを迷わせてしまうので、「リアルな生活の中で写真を一緒に楽しめるもの」という根本のコンセプトは絶対に外さず、その上でトレンドを盛り込んでいきたいと思います。

 また、グローバルで伸びている商品なので、アジアと欧米の捉え方の違いもよく把握しながら、各国に受け入れられるプロモーションを展開していきます。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

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市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
...

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 18:04 https://markezine.jp/article/detail/28260

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