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1分料理動画への熱が冷め始めた今、CookpadTVの概況とビジョンを聞く


クックパッドだからこそ実現できたサービス

 ここからは、Store事業とLIVE事業を詳しく見ていく。

 Store事業が提供する「cookpad storeTV」は、スーパーなど流通小売りの生鮮食品売り場にサイネージを設置し、商品と連動した料理動画を配信するサービスだ。エブリーが運営する「DELISH KITCHEN」も同様のサービスをスタートしており、今後の展開が注目される領域ともいえる。

 cookpadTVが「cookpad storeTV」を本格始動させたのは2017年12月で、現在62チェーンの店舗に導入されている(2018年9月末時点)。導入店舗は、北海道から沖縄まで網羅しており、配信する料理動画の週間閲覧者数は350万人を超えた。

実際に店頭に置かれている「cookpad storeTV」のサイネージ
実際に店頭に置かれている「cookpad storeTV」のサイネージ

 そんな「cookpad storeTV」が目指しているのは、買い物客の献立決めにおける課題解決だ。買い物客への利点について、「店頭に設置されたサイネージの動画を見ることで、これを作ってみようというインスピレーションが生まれます。スマホを出さずに、料理を決められることは大きなメリットです」と本澤氏。

 また、サービスの開発では、流通チェーン側の使いやすさも追求した。第一に、サイネージは無償で提供。流通側でのオペレーションは、登録されている約2,000の料理動画の中から、売りたい商品に適したコンテンツを選択するだけだ。本部や販促部でプッシュしたい商品があれば、その商品に合ったコンテンツの配信を指示することも可能。直感的なUIも特徴で、数タップで動画を選択・再生できる。

CookpadTV株式会社 取締役副社長 岩下氏
CookpadTV株式会社 取締役副社長 岩下氏

 さらに不具合などは、CookpadTV側で感知し、遠隔操作で直すというオペレーションを組んでいる。ちなみに、意外にも苦労したのは、サイネージを設置するための什器の開発だったという。今展開している什器は4代目。店頭からのフィードバックを受け、高さや角度、重さなど売り場の環境に合わせた改良を重ねたものだ。

 「遠隔操作でトラブル対応するソフトウェアの開発には、相当なエンジニアリング力が求められました。これは、クックパッドだからこそ実現できるサービスです」と岩下氏は自信を見せる。

導入前後で10~20%の売上増!サイネージ動画の影響は

 では、「cookpad storeTV」により店舗ではどのような変化が起きているのだろうか。

 現在「cookpad storeTV」の稼働率は、店舗ベースで90%、端末ベースでも80%という状態が続いており、この数字から継続的に活用されていることがわかる。店舗側では、導入前後で10~20%の売上増というデータも出ており、「販売が楽になった」「お客様へより良い提案ができるようになった」などの声が現場から上がってきている

 そもそも、流通チェーン側には、クックパッドのブランドに対する大きな期待がある。月間5,500万人が活用するクックパッドは、店頭での認知も高いため、「cookpad storeTV」も受け入れられやすいのだ。

 「流通チェーンの現場には、もっと売り場での販促を充実させたいというニーズがあったはずです。しかし、仕入れに合わせてレシピを考え、動画や各種ツールを作成するのは、現実的に厳しい。そういった課題を『cookpad storeTV』は解決できます。店舗の販促活動に貢献し、リソース不足も解消され、オペレーションコストが下がるというメリットが喜ばれていますね」(本澤氏)

 各流通チェーンは、導入検討時、まずは特定の店舗からテスト導入を始める。その効果を実感してから全店導入になるケースが多いそうだ。導入していない店舗と比べ、商品の売れ行きに差が出たり、買い物客から好意的なコメントがあったりと、目に見える反響があることは大きいだろう。

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従来不可能だった、消費活動シーンでの訴求を可能に

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/23 09:34 https://markezine.jp/article/detail/29338

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