革新的な商品特性を伝えるための、二段階のメディアプラン
――まず、今回キャンペーンを行ったミストファンデーション「ミネラルエアー」の商品特性を教えてください。
石橋:ファンデーションは、手やパフ、ブラシで「塗る」のが一般的です。ミネラルエアーはスプレータイプのファンデーションで、本体機器を使って顔にシューッと吹きかけます。”浴びるだけ”でお化粧が完了します。ですので、手を汚す必要も、色々な道具を使う必要もありません。吹きかけるだけでムラなくきれいに仕上がりますし、大幅な時短を実現できるのが特徴ですね。
――メインターゲットにはどのような層を設定されていたのでしょうか。
石橋:メイクされる方全般を対象としていますが、ファンデーションとしては高価格な部類なので、美容にある程度投資できる30代以降の方がメインですね。その中でも、時短ニーズのあるビジネスパーソンや主婦の方であったり、仕上がりの美しさを求めていろんな商品を試す、いわゆる「メイクジプシー」と言われる方を対象にしています。
ターゲットの皆さんに満足いただける品質にはなっていると思うのですが、まったく新しいタイプの化粧品であるため、すぐには魅力を理解いただけない点をネックに感じていました。
――ありがとうございます。次はメディアプランについてシンクリンクの的場さんに伺っていきます。認知施策として、当初はSNSやバナーでの広告施策を中心に運用されていたんですよね。
的場:そうです。動画も活用しながら、Twitter、Facebookでセグメントをかけて配信しターゲットリーチを獲得するところを中心に始めてみました。結果としてリーチ目標は達成できたのですが、リアクションという観点で課題が残りました。
幅広く認知を得ていく第一段階として各種SNS広告は有効でしたが、ミネラルエアーの場合、スプレータイプという商品特性がもたらす価値を深く理解してもらえなければ魅力が伝わりきらない。単純にリーチを獲得する広告の次の段階が必要だと感じていました。
そこで、商品の理解を促すための第二段階として、ヤーマンの石橋さんに動画広告配信プラットフォーム「Teads」の導入を提案しました。
広告内でユーザーがアクションするから理解が深まる
――的場さんからTeadsのソリューションを提案され、導入に至った決め手はどこにあったのでしょうか。
石橋:一番はインタラクティブ性の高い、独自のクリエイティブを実現できる点ですね。ここまで動的な広告クリエイティブはなかなかないと思いました。LPに飛ばなくても、広告内の動的な仕掛けを体験するだけでミネラルエアーのベネフィットを体感してもらえることに強い魅力を感じました。
川口:事前に「ミネラルエアーの魅力が伝わりきらない」点が課題だと伺っていたので、CVをゴールとしたものではなく、商品の優位性を伝えるためのクリエイティブ事例を中心に紹介しました。
――Teadsの川口さんにお伺いしますが、ダイナミッククリエイティブ広告は、従来のバナー広告や動画広告とどのような違いがあるのでしょうか。
川口:一番異なるのは、ユーザーの能動的なアクションを促す点です。スワイプやタップをすると広告クリエイティブが変化するので、ユーザーは楽しみながら自然に対象商品を知ることができます。
たとえば、ファンデーションを吹きかける動作を広告上で体験できるよう、画面をこするとミストが吹き出してメイクが完成してツヤと透明感のある肌が現れる「スクラッチ」というinRead®フォーマットを利用しました。
また、「スライダー」というフォーマットも利用しました。スライダーでは、ファンデーションを塗布するビフォアー/アフター画像を、画像上のスライドバーを徐々にスライドして切り替えられます。この技法を用いて、ミネラルエアーの特徴の1つである、仕上がりの美しさをアピールすることに重点を置きました。
当社の広告はプレミアムメディアである活字媒体の記事中に配信されます。記事の途中に設置されている広告バナーは、視認性が高く、当社の場合はユーザーの興味を惹く動的なクリエイティブを実装しているのでエンゲージメント率が高い傾向にあります。
たとえば、スライダー広告ですと、デフォルトでスライダーがさりげなく左右にゆれることで、操作して動かせることをメディアの読者に自然に気づいてもらいます。このクリエイティブは、非常に高いインタラクション率を記録しました。
また、今回は「マルチ動画」という手法も活用しています。バナー内に商品の特徴を4つ記載し、各文言をクリックすると解説動画が流れる仕掛けです。
商品を深く理解いただきたいけれど、1つの枠に情報を盛り込みきれないという場合に有効な手段です。