人からの評価を気にしながら、自分がどう幸せになるか
2つ目の女性インサイト仮説は、「スマホとの距離感が女性の行動変化につながっている」ということ。「スマホにより、人間関係や国境がボーダレスになっている現代世界。スマホによる行動変化は、今後より加速していくでしょう」と、吉丸氏。
世代別でスマホの距離感についてとったアンケートの結果がこちらだ。
「トイレ、あるいはお風呂にもスマホを持って入る」ことは、20代後半〜30代前半までに多いことが見受けられる。ただ、意外にも「スマホは周囲との連絡手段」と割り切っている女性は、世代に関係なく一定数いるようだ。
続いて、世代別でスマホの距離感と幸せの価値観との関係性について。
幸せと考える基準については「結婚して子どもがいるのが標準的な幸せ」、美しさの基準は「見た目の美しさ、若々しさ、肌がきれい」であると答える人は、スマホとの距離感が近い。対して結婚生活に対しての関心が薄く、「無理せずあるがままのスタイル」な人は、スマホと距離を取っていることがわかる。
「女性の外部評価への関心とスマホとの距離感には関係性があります。スマホとの距離感が短くなるにつれて、『人からの評価を気にしながら、自分がどう幸せになるか』を追求する女性が、今後増えていくことでしょう」(吉丸氏)
女性は「未来の私」に投資するという仮説
最後の女性インサイト仮説は、「女性は『未来の私』に投資する」ということ。
「ライフステージの変化が少ない男性にとっての“未来”に比べ、女性にとっての“未来”は3〜5年後を指していることが多い。ファッションやスキンケア、食費などの消費行動と女性の将来にビジョンの間にはなにかしらの関係性があるはずです」(吉丸氏)
次のグラフは、「3~5年後のあなたの置かれているシーンは?」という設問と、「ファッションにかける月額費用は? 」という設問の結果をクロスしたものだ。
ここから、3~5年後は「仕事に没頭」という人と「子どもの教育後半戦突入」という人では、ファッションにかける月額費用が真逆ということがわかった。
仕事に没頭する女性のファッションにかける費用は高め。対して、子どもが教育後半戦に突入した女性は、5000円未満の人が60%を超える。また、「3〜5年後の私なんて想像できない」という女性は、自分への投資が低い。ファッション以外でも、明確なビジョンがない女性ほど消極的な消費行動をとる傾向にあるのだという。