多面的な施策で5Gへの期待値を向上
――今回5Gを活用した音楽体験を提供したことで、どのようなメリットが提供できたと考えていますか。
牛田:提供した3つのサービスは、5Gの知識をひけらかすのではなく、ユーザーが使ったときに楽しんでもらえる形で、かつ便利と思ってもらえるものにできたのではと思っています。
ユーザーへのメリットということだと、「FUJI ROCK '19 EXPerience by SoftBank 5G」に関しては、現地に行けない人の利用が圧倒的に多かったのですが、病院に入院していた人から「実際に参加した気分になれた」という感想も寄せていただけた。現地に行ってなくてもアプリを通して体験することによって、楽しんでもらえたのは嬉しいですし、そうした内容がSNSで拡散されることによって今回のサービスや5Gが広く認知してもらえたと考えています。
中村:今回開発した2つのアプリは、「FUJIROCK'19bySoftBank5G」のほうは混雑状況を知らせることで利便性を提供するために、「FUJI ROCK '19 EXPerience by SoftBank 5G」は臨場感を再現するためにと、ベネフィットを2つにきっちり分けて作っています。元々今回企画を考えるにあたって、現地と遠隔地の両方で楽しんでもらえるような仕掛けを作るというのがコンセプトにあったので、現地だけでなく多面的に展開できたのは良かったです。
――3つの施策に対する実際の反響はいかがでしたか。
牛田:ソフトバンクでは、「5Gでライフスタイルを変えていく」をテーマに、技術的にも営業的にもいろいろな活動を行っているのですが、それは最終的な目標で、それを達成できるのはまだ先のこと。今年度に関してはいかに5Gに対する期待値を高めていけるかに主眼を置いています。
今回フジロックの現地だけでなく、YouTubeのライブ配信や、フジロック開催にあわせて行った六本木ヒルズのイベントブースでのVR体験など、非常に多面的なコミュニケーション活動ができました。それによって、我々の内部指標である「5Gに対する期待値」が如実に上がったのは大きかったです。
中村:これからどんどん5Gは各キャリアのインフラになっていくと思いますが、5Gを単なるインフラや、高速でダウンロードできる技術として認識されているのではなく、その先にあるものを見据えて一番に取り入れていくのがソフトバンクだという宣言をされているように思います。フジロックはその代表的な施策になったと思いますし、そういうパーセプションがユーザーの皆さんに広がりつつあるのではないでしょうか。
