Instagram×スポーツは今後どう変わる?
さらに、これからのInstagram活用に話が及ぶと、「アドボケーター(擁護者)」の育成がキーになると小林氏は発言した。
「コトラーは、その著書『マーケティング4.0』の中で、『接続性の時代にはアドボケーターを育てていくことが、これからのマーケティング活動には大切である』と主張しています。ただ、それを成し遂げる具体的な方法については、はっきりとは書かれていません。ですが、今のInstagramの盛り上がりであれば、企業がアスリートをファンと同じように応援することで、共感が生まれ、アドボケーターが生まれてくるのではと思っています」(小林氏)
そして、アスリートとして参加した植草選手と羽根田選手も、今後の意気込みを語り、セッションを締めくくった。
「最近のラグビーの盛り上がりは、選手の努力、苦労を見てくれる方々が感じ、応援の力に変わったからこそ。私も来年の東京2020オリンピックに向けて、様々なことを発信して身近に感じてもらえるような選手になって、感動する試合をしてブームを起こしたいです」(植草選手)
「試合だけ見るのと、出場している選手の長いストーリーを見るのでは伝わり方が違うと思います。Instagramを通してその魅力的なストーリーを作り、東京2020オリンピックで最高のパフォーマンスを発揮したいです」(羽根田選手)
FC東京・橋本拳人選手が語る、Instagramのイメージ
イベント終了後には同イベントに参加していた、FC東京所属でサッカー日本代表でもある橋本拳人選手にインタビューを行うことができた。インフルエンサーとして企業のマーケティング活動に関わる際の姿勢などをうかがった。
橋本選手はInstagramを中心としたSNSでの発信を行っており、そこには試合後の想いやファン・サポーターへの感謝を伝えているほか、サッカー以外の活動、プライベートの様子などが上げられている。最初こそ他の選手が使い始めていたのを見て乗っかる形だったが、そこに集まるファン・サポーターからの反応が嬉しく、ポジティブな気持ちで使っているという。
「試合に負けて悔しさが募るときでも、応援してくれる人のために頑張ろうと思いますし、ときに厳しい言葉も書いてありますが、次はその人たちを喜ばせる試合をしようと、逆にモチベーションが上がったりする。どんなコメントもプラスになっています」(橋本選手)
また、自分を支援してくれるスポンサーのための投稿は行ったことがあるかを聞いたところ、自身と契約しているスポーツメーカーの商品を着用した写真をアップしたこともあるという。「自身とその商品がかっこよく映ることを意識している」と橋本氏は語っており、選手自身のブランディングはもちろん、スポンサーブランドへの貢献も心がけているのがうかがえた。
最後に、今回のイベントの感想を聞いてみた。
「今回のイベントには、他のスポーツ選手がどのようにInstagramを利用しているのかが気になって参加しました。今日の話を聞いて、これから自分はどういった色を出していくべきか考えるきっかけをもらえたように思います。今後は自身のプライベートに関する投稿はもちろん、スポンサー企業やチームに貢献できる投稿も積極的に行っていきたいです」(橋本選手)
Instagramがスポーツとの親和性が高く、アスリートにとっても重要なプラットフォームになっていることがわかった。今後、企業とアスリートのコラボレーションが積極的に進むと、ファンや消費者にとって関連性の高い広告コンテンツも増え、三者にとって有益な仕組みが生まれるのではないだろうか。
スポーツ×Instagramの親和性の高さを、徹底調査
今回登場したカンター・ジャパンとFacebookによる調査の結果を、より詳細に解説した記事が現在MarkeZineにて公開中! 「本当にInstagramってスポーツと相性がいいの?」「Instagramとスポーツの親和性がわかるデータがもっと欲しい」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
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