5Gで普及するか、ブラウザベースのVRコマース
次に紹介されたのは、VRを使ったユーザーインターフェースをECに組み込ませたソリューション。
ここ数年、同社はゴーグルレスで直接ブラウザを見てVRショッピングができる仕組みの実用化を進めてきた。5Gが普及すれば、PCはもちろん、スマートフォンからでも快適なVRコマースを体験できる。そんな未来が目前に迫っている。
田邉氏が紹介したVRコマース用のWebサイト例が次の2つだ。
ショッピングモールをCGでゼロから構築?! スマホで楽しむショッピング
1つ目は、フルCGでゼロからバーチャルモールを構築する例。田邉氏はデモで実際のVR画面を動かしながら、利用のイメージを説明した。
イメージのバーチャルモールは、こちらから実際に体験できます。
バーチャルモールから入りたい店舗を選び、【店舗の中に入る】をクリックすると、VR店舗の中に入ることができる。【外に出る】をクリックすると、再びバーチャルモールに出ることができるなど、ショッピングモールを歩いているような感覚でショッピングを楽しむことができる。
また、現実にはあり得ないが、店内に雪を降らせるなどユーザーを楽しませるサプライズ演出も可能。「特にこだわったのは、空間のリアルさを損なわないようにすることで、画質は4,000倍まで拡大することができます」と田邉氏。画面を拡大して見てみると、たしかに路面もリアルな質感になっている。
さらに、VR空間の建物の外壁に動画を組み込み広告出稿のスペースを作ることもできれば、道路に特定メーカーの自動車を配置しWebやリアル店舗に誘引したり、バーチャルモールから広告収入を得ることもできる。モールへの出店で賃料収入を得ることもできるだろう。
いつものお店のあの棚をスマホでチェック
2つ目は、リアル店舗を持っている企業が基幹店舗の売り場を撮影したものをベースにVR店舗を作成する例。
ユーザーにとっては「いつもの店のあの棚に並んでいる商品」を自宅にいながらチェックすることができるわけだ。店頭の商品は、パッケージの文字を読み取るところまでズームして確認できてしまう。
上の図は、あるドラッグストアの店舗をVR化した時の商品棚のイメージ。
VRコマースの長年の課題として、数多くの商品の登録、棚替えに応じた更新の煩雑さがあった。しかし、同社が独自に開発した2次元コード「Full-Scan-Code」を用いれば、VR上の商品が一括で自動認識され、商品の位置特定や商品情報のリンク作業も自動かつ瞬時に行われる。
田邉氏はこの画期的なソリューションについて、実証実験段階のため、企業がVRコマースを本格導入できるよう準備を進めていると話した。
当日の講演資料はこちらからダウンロード可能です。
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