SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2020 Spring(AD)

Cookie規制にマーケターはどう向き合うべきか?イルグルム吉本氏が現状と対策を語る

 個人情報保護への関心が世界的に高まり、大手プラットフォーマー各社もCookie規制を相次いで強化している。3月10日、11日に開催した「MarkeZine Day 2020 Spring」にはイルグルムの吉本啓顕氏が登壇。Cookieを使うことで精度を上げてきたデジタルマーケティングにおいて、どのような対応をするべきかを語った。

急速に進む個人情報保護の強化

 ユーザーがサイトを訪れると、Cookieと呼ばれる識別子がブラウザに保存される。この情報をもとに広告主や広告配信会社は、ユーザーが興味関心を持ちそうな広告を、適切なタイミングで配信することが可能になる。通常、Cookieに含まれるのはランダムな文字や数字であり、それ自体から個人が特定されることはない。

 だが近年はこのCookieを個人情報ととらえ、規制を強化する動きが加速している。2018年5月に欧州でGDPR(一般データ保護規則)が適用され、今年1月には米カリフォルニア州でCCPA(消費者プライバシー法)が発効。日本でも個人情報保護法の改正案が3月10日に発表された。

 個人情報の扱いに対する意識が国内外で高まり、Cookieへの規制が強化されると、マーケターはどのような影響を受けるのか。イルグルムの吉本啓顕氏は、集客、接客、分析の3つの観点で整理する。

集客

 1つ目が、広告の配信やリターゲティングなど「集客」の部分だ。たとえばリターゲティングは、自社サイトを訪れたユーザーのブラウザにCookieを保存し、それを追跡することで自社広告を表示させる仕組みだ。Cookieでの追跡が不可能になれば、この仕組みは成り立たなくなる。「DSPやネットワークは、これまでCookieの技術と共に進化してきた背景があり、一定の影響は避けられない」と吉本氏は語る。

接客

 2つ目は、コンテンツの出し分けやポップアップなど「接客」の部分である。サイト訪問回数によって表示するコンテンツを変えたり、シナリオの設計にもCookieが使われていることが多いという。

分析

 3つ目は、サイト解析や広告効果測定など「分析」の部分。たとえば、サイトに訪れたユーザーの行動を可視化したヒートマップや、広告の効果測定ツールには、Cookieのデータを集計して描画するものが多い。

 このように、デジタルマーケティングのPDCAを回すにあたって要となる部分に、Cookieの技術は活用されている。そのため、Cookie規制への対応はマーケターにとって、もはや避けては通れない課題なのだ。

規制は“3rd Party Cookie”に照準を合わせたものが多い

 Cookieには2種類あり、どこが発行したものかによって名称が変わる。ユーザーが訪問したサイトから直接発行される「1st Party Cookie」と、広告配信サービス会社など第三者が発行する「3rd Party Cookie」だ。

 1st Party Cookieは、サイト運営会社の自社データという扱いになるため、Cookie規制が強化されても、これまで大きな影響を受けなかった。問題となるのは、第三者が発行する3rd Party Cookieで、Cookie規制はここに照準を合わせたものが多いという。これまで主要なブラウザは相次いで、3rd Party Cookieの制限や廃止を発表してきた。

 またAppleは2019年、1st party Cookieの中でもjavascriptを利用して付与される1st party Cookieについて、有効期間を7日間、さらには24時間へと短縮するなど、規制の強化をひんぱんに発表している。

次のページ
6割のコンバージョンが“なかったこと”に

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2020 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

田崎 亮子(タサキ リョウコ)

マーケティング&コミュニケーション領域の編集・執筆・翻訳を手掛ける。コミュニケーション領域の専門誌編集、コーポレートコミュニケーション領域の制作会社を経て、現在はフリーランス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/05/12 18:08 https://markezine.jp/article/detail/33095

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング