多様なステークホルダーを3つの軸で支援していく
――ビジネスの在り方を変える機会と捉えて取り組むことが、今後につながりそうですね。
そうですね。我々としては、これを機にデジタル化に向き合う中小企業や自治体の方々がスムーズに使えるように、主に初期トレーニングにできる限りの工夫と配慮をしていきます。たとえばビジネスアカウントの作り方から解説するウェビナーを既に始めていますし、ビギナー事業者向けにInstagramのビジネス活用の基礎情報を提供するビジネスハブのような仕組みも開設しています。
――それは心強いですね。生活者、企業およびマーケター、また私たちパブリッシャーなどプラットフォーマーのステークホルダーは多種多様ですが、これからのニューノーマル時代に各者にどう向き合っていきたいとお考えですか?
大きな方針は、前述の3本柱「社会・経済への貢献、安心安全な環境づくり、イノベーション」です。それに基づき、まず生活者に対しては、コミュニケーションの維持とコミュニティづくりを支援していきます。
企業およびマーケターには、ビジネスのデジタルシフトを支援し、我々のプラットフォームをよりスムーズに使えるようにして、経済の再生に尽力したいです。同時に企業や自治体で働く人という点では、リモートワークは今後も続くでしょう。先ほどの柱のうち、イノベーションの観点で、我々の機能や製品を使った事例の創出と共有に力を入れていきます。米国での事例は先行していて、たとえばジョンソン・エンド・ジョンソンが外科医のトレーニングにVRのOculusを使い、一方的なビデオ教育ではカバーできない部分を支えています。また、Workplaceは我々も社内コミュニケーションに大いに活用していますが、リモートでも風通しよく働ける環境の提供にも努めたいです。
信頼性の高いニュースを提供するパブリッシャーにも引き続き有効に活用いただきたいですし、同時に、様々なコンテンツを発信しているクリエイターの支援も視野に入れています。マネタイズや、人とつながって支持を集められる仕組みの整備などですね。実際、コロナ禍で利用者数も滞在時間も増える中、特に顕著だったのは動画やライブ配信の視聴だったんです。そのつくり手の皆さんに注目し、サポートしたいと考えています。