マーケと営業の双方向でファネルを渡る
――現在の状況下で、営業の方もデジタルシフトを進めなければという危機感が強くなっているのではないかと思います。それに対し、マーケティング部門として営業部門と連携する際に気を付けていることはありますか。
マーケティングのプランを立てる際、各お客様のストーリーに寄り添ったものにすることは意識していますね。我々は様々なコンテンツを持っておりますので、お客様によって適切な組み合わせを考えています。
また、ファネル図でマーケティングから営業に向かっていく様子が表されますが、マーケティングから営業だけでなく、営業から我々の考えたシナリオに対するフィードバックをもらうなど、双方向のやり取りを大事にしています。そうすることでマーケティング部門が持つアセットも的確に使うことができます。
――具体的にはどのようなフィードバックを受けるケースが多いですか。
営業はお客様を数社単位で見ているので、メッセージも共通して出したいものと、各社に特化して出したいものがあります。そのため、ウェビナーでもそのニーズに対応したり、ショールームの見学もスクリプトを変更したり、メールマガジンも個別配信と一斉送信を組み合わせたりと、リクエストに応えるようにしています。
――御社の規模では、お客様ごとにメッセージを変えるのは非常に大変な作業かと思いますが、どのレベルでやっているのでしょうか。
先ほど紹介した7月のイベントにおいても、メールの細分化を行っており、約60種類のメールを業種や業務、興味などに合わせて出し分けていました。マーケティングオートメーションを導入しているので、手間は多少かかるかもしれませんが、やりようがあります。持っているアセットを駆使して、シナリオを工夫すれば、様々なパターンを創出できるので。
広報との連携で営業の後押しを
――最後に、今後のマーケティングにおける展望を教えてください。
コロナ禍で営業のデジタルシフトの取り組みが本格化したので、そこと連動するマーケティングの仕組み、打ち手を揃えていきたいです。それに加えて、営業と真の意味での連携を実現できればと考えています。
これまでも連携はしていましたが、今後は営業の商談活動を加速するため、いかに個別のお客様に適したマーケティング施策を実行できるかを考えるべき状況になっています。
コロナ禍に入る前は、営業自身のスキルである程度受注が得られましたが、これまでの営業スキルが十分に発揮できなくなっています。その部分を補い、リード獲得までの前段部分だけでなく、受注まで並走できる存在でありたいです。
――確かに、受注までマーケティングが並走してくれると、営業も心強いと思います。
並走して、Face to Faceで営業ができていた時代と同じくらい営業活動を良いものにするための工夫には、今後も取り組みます。たとえば、広報との連携もそうです。メディアの方に対しプレスリリースの解禁を行う情報なども営業に共有しておけば、メディア露出が増えたタイミングで営業活動を行うことができます。2019年から強化していますが、今後も連携を強化し、我々の強みにしたいです。
