商品開発・改善もユーザーからヒントを得る
――その他にPHOEBE BEAUTY UPの成長を下支えした施策はありますか。
お客様の声を第一に商品開発・改善に取り組んだことは、ブランドの成長に欠かせなかったと思います。PHOEBE BEAUTY UPとして最初にまつげ美容液をローンチしましたが、これもDINETTEのユーザーの多くが目元に関する悩みを抱えていたところから発想を得ました。そして、実際に発売してみると私たちでは気が付かなかった商品の改善点がたくさんユーザーから出てくるんです。たとえば、ブラシの硬さや質感などに関する反応は人それぞれです。そのため、SNSなどで商品に関する要望や感想を常にDMで集めて、そこで集計したデータをもとにブラシやテクスチャーを改善したりもしました。プロダクト開発から改善に関するPDCAをユーザーの声ありきで回せているのは、PHOEBE BEAUTY UPならではの特徴だと思います。
――自分の送ったDMの内容が次の商品改善に反映されるというのは、ユーザーの方も嬉しいですよね。
DINETTEだけでなく、PHOEBE BEAUTY UPのSNSアカウントにも頻繁にDMやコメントをいただくので、とにかくすぐ返信するように徹底していました。サポートや新商品のお知らせなどすべてのコミュニケーションを通じてブランドを好きになっていくと思うので、一番強い接点であるSNSでのコミュニケーションは他のブランドと比較しても注力していると自負しています。
――個人的には、商品に関することやお悩みがDMに来るというのも意外でした。一般的には、コールセンターやメールなどでの問い合わせが多いイメージだったのですが、他の問い合わせ方法よりもDMでの問い合わせが多いのでしょうか。
もちろんコールセンターなどによるサポートも行っていますが、SNS上での問い合わせが一番多いですね。コールセンターよりも、もう少し気軽にわからないことや気になることを聞ける場が用意できればと思い、SNSのDMやコメントでの問い合わせも積極的に受け付けています。電話で問い合わせするのが億劫な方はもちろん、匿名で気軽に問い合わせたいという方のニーズにもこたえられると思っています。
最近では流通、ポップアップショップなどでの売上も拡大
――最近では、ポップアップショップの開設や他の流通への展開をお見掛けするのですが、自社EC以外での販売も強化しているのでしょうか。
そうですね。最初は自社ECでのサブスクリプションモデルで商品を展開していたのですが、最近ではAmazonや楽天などの大手ECモール、オフラインだとロフトやPLAZAをはじめとしたコスメを扱う実店舗企業での販売も行っており、その数は600を超えました。また、ポップアップショップも2020年12月に有楽町マルイで開催したところ、初めてにもかかわらず想定より売上が好調でした。そして、これらの流通での取り組みはブランドの認知向上にも大きく貢献していると考えています。ECだけで20億円の売上があるブランドよりも、卸で10億円、ECで10億円のブランドのほうが認知されるはず。そういったマスに受け入れられ、親近感を持ってもらえるブランドになるためにも、今後はポップアップショップの開催を繰り返しつつ、常設店舗のオープンも視野に入れるなど、オフラインでの販売を強化したいと考えています。