UGC創出にARが活用される理由
現在、ユーザーのクチコミやユーザーの手によって作られたコンテンツ(UGC)の増加を目的としたSNSの運用が増え、ARとSNSを絡めた施策が多いという山内氏。企業が直接ユーザーに情報を届けるのは広告と同じで情報の影響力が弱い。その点UGCは、第三者を介してユーザーに情報を届けられるため強い影響力を持つ。
しかし、意図的にUGCを発生させるのは可能なのだろうか。山内氏は、それこそが「ARの得意なところ」だと話す。ARによる、見た目に驚くような顧客体験で「写真を撮って投稿したい」と思うきっかけを作り、ユーザーがSNSに投稿する。そのUGCを企業からリツイート、リポストすることで、さらにそれを見たユーザーによって新たなUGCが生まれるというのだ。
山内氏は、SNSのなかでもアクティブユーザーが4500万人と多く、拡散性が強いTwitterの活用を勧める。「テキスト+画像」の投稿はデータドリブンの運用に適しており、参加者の顧客データも収集していけるという。
広告費は長く運用していくとCPMが上がり、その広告予算を青天井で増やしていくのは難しい。「UGC、クチコミをいかに増やすかに注力していくと、広告費の削減にもつながります」と山内氏は請け負う。
またクチコミ内容を踏まえて商品力を強化し、サービスの改善をすることで顧客の満足度を上げることにもつながるという。一方的に商品を宣伝して届けるのではなく、ユーザーから好意的に商品を手にして、さらにそれを拡散してもらえる状況を作っていくのが理想だ。
ユーザー参加で盛り上がるAR活用の最前線
山内氏はAR活用によって成果のあった実際の事例も紹介した。
くら寿司では、バナーをタップすると「AIまぐろ」が出現するARコンテンツを「#これがAIが選んだまぐろ」というハッシュタグとともに展開。公式のTwitterアカウントから、企画の内容、ユーザーのメリットなどを記したURLを投稿した。
投稿を見たユーザーが興味を持ってURLをクリックするとLPに飛び、アプリレスでARを体験できる。実際にユーザー各々が自由な発想でSNSに写真を投稿し、反響を得た。
敷島製パンの事例では、桜パッケージのサンドロールにQRコードをつけ、動画フォトフレームARを使った「おうちでエア花見」企画を実施。ユーザーがフォトフレームを利用して写真を撮りたくなる仕組みづくりで、PRせずとも開始10日間で5000再生、再生数からの撮影率は41.5%を達成した。ログを取得することで朝の時間帯5:00~10:00の閲覧率が32.2%とわかるなど、どの層がどの時間に参加したというデータも分析を可能にした。
こうした施策に関して山内氏は「継続実施が重要」だと述べ、それはデータにも表れているという。同じ企画を同じ媒体で行った事例では、1回目の参加者は8266UUに対して2回目は12167UU。同じ企画だが、2回目のほうが1.5倍くらい多い結果となった。
「ARの企画や時期など切り口を変えながらPDCAを回していくと、より御社のファンに参加いただけると思います」と山内氏は締めくくった。
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