SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

エンゲージメントの高いSNS投稿が来店誘引の鍵!セブン-イレブンが実践する“攻め”のデジタル戦略とは

 プライベートブランドの刷新やコラボ商品の開発などを通じ、売上増に向けて各社がしのぎを削るコンビニ業界。厳しい競争を勝ち抜くためには、魅力的な企画と連動したプロモーションの両輪が不可欠だ。セブン‐イレブン・ジャパンでは従来型のマス広告はもちろん、デジタルを活用したプロモーションで様々な企画を周知し、来店・売上増につなげている。本記事では、同社が2022年に入ってこれまで実施したフェアと、現在も継続しているスイーツ企画について深掘り。企画の詳細やデジタル施策、得られた成果をマーケティング部の福島氏と笠間氏に聞いた。

SNSを活用し若年層へのアプローチを強化

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは福島さんと笠間さんの担当業務についてお聞かせください。

福島:2022年3月に販売促進部から名称変更したマーケティング部の総括マネジャーを務めています。名称変更前もマーケティング視点でプロモーションを行ってきましたが、体制をより強化すべく専門部署を立ち上げた形です。

セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部 マーケティング部 総括マネジャー 福島一晃氏
セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部 マーケティング部 総括マネジャー 福島一晃氏

笠間:私はマーケティング部のデジタルメディア(SNS・ホームページ)チームに所属し、様々な媒体を活用しながら主にスイーツのプロモーションを担当しています。

セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部 マーケティング部 プロモーション・広告企画 笠間彩子氏
セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部 マーケティング部 プロモーション・広告企画 笠間彩子氏

MZ:現在御社がマーケティングで解決されようとしているビジネス課題はありますか。

福島:セブン-イレブン・ジャパンは多くの加盟店がいらっしゃるフランチャイズビジネスの本部なので、加盟店の売上利益を上げることが我々の使命となります。売上利益を上げるにあたり、課題となっているのが減少傾向にある客数です。加盟店に負荷をかけず、情報発信によっていかにお客様に来ていただけるかを考えるのが、我々マーケティング部だと考えています。

 客数とあわせて改善すべき点が若年層の構成比率です。来店者の内訳を見ると、20~30代の割合が人口構成比よりも下がっています。若年層にも選ばれる存在となるために、手を打たなければなりません。

MZ:具体的にどのような手を打っていらっしゃるのでしょうか。

福島:来店を促すためにテレビCMなどは打っていますが、最近はテレビを持たない・見ない若年層も少なくありません。そのような層に向けて発信できるのが、笠間のチームが担当するデジタルであり、特にアプローチしやすいのがSNSです。彼らは「買ってください」という押し付けの広告を嫌がる傾向があるため、SNSでは広告色を控え「いかに楽しく興味深い情報を提供するか」という観点で施策を展開しています。

サイトの「裏ページ」で脱・押し付けの販促を実施

MZ:楽しさを感じさせる企画として、様々なフェアを行われたそうですね。フェアの内容について詳しく伺えますか?

福島:2022年の1月に「北海道フェア」を、3月には「九州フェア」を開催しました。コロナ禍で旅行が難しい状況を踏まえ「他県に足を運ばなければ食べられないものが、全国のセブン-イレブンで食べられたら楽しいよね」という想いが企画の出発点です。ご当地グルメが圧倒的な人気を誇る北海道と九州からフェアをスタートしました。

 弊社は全国の各地区に商品開発拠点があるため、フェアのために新しい商品を開発できるという強みを持っています。今回も北海道と九州の有名店とご一緒させていただき、オリジナル商品の開発を行いました。

MZ:デジタルならではの表現として、Webサイトにある工夫を施されたそうですね。

福島:北海道フェアと九州フェアでは、サイト上に「裏ページ」という仕掛けをつくりました。表ページでは標準語で内容を表記し、裏ページでは方言に切り替えたんです。

 またサイトには地図を掲載し、特定のエリアをクリックすると、その土地の魅力を説明する文章と関連商品が表示されるように設計しました。商品を売ろうとするのではなく、まずは観光情報を見てもらい「ご当地商品を開発したので、よろしければ食べてください」という構成にしたわけです。

北海道フェアのWebサイトより。(左)標準語バージョンの表ページ(右)北海道弁バージョンの裏ページ
北海道フェアのWebサイトより
(左)標準語バージョンの表ページ(右)北海道弁バージョンの裏ページ
エリアをクリックすると表示されるポップアップ。その土地の魅力を観光ガイドのように解説しつつ、商品情報もあわせて紹介
エリアをクリックすると表示されるポップアップ。
その土地の魅力を観光ガイドのように解説しつつ、商品情報もあわせて紹介

福島:また九州フェアでは「九州を吸収」という遊び心のあるフレーズを使い、WebサイトやSNSで展開しました。

九州フェアのWebサイトより
九州フェアのWebサイトより

次のページ
投稿動画のエンゲージメントは平均値の約10倍!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/05/27 11:00 https://markezine.jp/article/detail/38827

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング