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ツイートからファンの気持ちをつかみ施策に活かす、ソニー・ミュージックのデータ活用

エンターテインメント×口コミにおける、親和性の高さ

――CDPで収集したデータを既存の計測ツールで分析することもできると思うのですが、オリジナルのツールを開発することになった背景にはどういった課題があったのでしょうか。

髙橋:既存のツールでもファンクラブの入会期間やECの購買金額といった定量的なデータを見ることはできます。一方で、ファンの感情面が見えてこないという課題がありました。

 ファンクラブに何年も入っていたとしても、その方がサービス内容に満足しているのかといった定性的な部分も見ていく必要があると考えました。その時に、「N=1」で一人ひとりの口コミを詳細に見ていく、ソーシャルリスニングに取り組みたいと考えました。

武村:エンターテインメントと口コミはとても相性が良いので、お声がけいただいた時には「ぜひお願いします!」という感じでした。

 音楽やスポーツなどのエンターテインメントでは、たとえばテレビに出演したタイミングでファンのツイート量がとても多くなるので、分析したらおもしろい結果が得られるだろうと思いました。

株式会社レモンタルト<br />代表取締役社長 武村琢生氏
株式会社レモンタルト
代表取締役社長 武村琢生氏

――そのシステムを使って、どのような取り組みを行ったのでしょうか。

髙橋:最初は、あるミュージシャンのイベントの際に、ツイート件数がどれくらいあったかというのと、その感情分析を行いました。

 結果、様々な隠れたニーズをファンの方の声から見つけることができ「やっぱりファンの方の口コミは大事だ」という実感を持ちました。そこで、他のアーティストの施策でも使えるように定常的に使えるツールにしようということになりました。それが「SMILE」です。

クリック/タップで拡大
「SMILE」のダッシュボード(クリック/タップで拡大)

ファンの声から新しいアイデアが生まれる

――SMILEを活用することで、どのような分析結果を得られ、どういった成果へとつながったのでしょうか。

髙橋:以前はただTwitterのタイムラインやトレンドだけを見ても、どういう風に話題になっているのかについては把握しづらい部分がありました。

 たとえば炎上していると言われていたとしても、その話題に関するツイートのうち何割くらいが炎上しているのか読みきれません。こうした部分を、把握できるようになりました。

村山:Twitter上で炎上するとトレンド上位に上がってくるので、一見すごく多くの人が炎上に賛同しているように思われてしまいます。しかし実際にツイートを分析してみると、炎上に賛同しているツイートはごく一部であるケースも多いです。

 きちんと定性的・定量的に評価できるのは、アーティストに対してもとても良いフィードバックになると思います。

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社ト<br />コンサルタント 村山早紀氏
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
ソリューションビジネス本部 パートナーソリューションコンサルティング部
コンサルタント 村山早紀氏

武村:SMILEでは、ツイート内容がネガティブなのかポジティブなのかを判定することができます。そのため、意外とネガティブなことを呟いている人は少なかったことも、少なくありません。

髙橋:また、ファンの方の声から思わぬアイデアに気づくことが結構ありました。

 たとえば、アーティストやアイドルのグッズを、「自分が好きな人のグッズは全部欲しいから、サブスクにして新しく発売されたら自動的に家に届くようにしてほしい」や、「ECで購入した際の送料を5回に1回は無料にしてほしい」といったよく買ってくださるファンの方に喜んでいただけそうな施策などが挙げられます。

 他にもアイドルの番組の企画で、数値としてはあまり目立っていない企画でしたが、SMILEを活用したところ、熱狂的なファンが多くいらっしゃることがわかりました。その企画に注力したところ、人気の企画となった例もあります。

次のページ
ツイートの感情を判定するSMILEの仕組み

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2022/07/22 11:30 https://markezine.jp/article/detail/39248

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