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BtoBマーケティングの開拓者たち

人材育成の課題を「仕組み」で解決へ

「イネーブルメントプロジェクト」をスタート

 現在、当社の組織は40%が新卒で入社した社員で構成され、一番年次が高い新卒入社の社員でも入社3年目といった比較的フレッシュな会社です。新卒採用は創業2年目の2019年からスタートし、採用計画数は増加傾向です。新卒・未経験で入社した彼らは、クライアントに提案できるレベルにまで早期に成長し、今では戦力の中心となっています。スピーディな育成ができた大きな要因には、デジタルマーケティング業界で活躍してきた経営幹部から直接OJTを受けられたことが挙げられます。

 人数が少ないうちは、こうした育成手法でも問題ありません。しかしながら、今後組織を100名、200名と拡大させていく過程では、経営幹部がいつまでも直接OJTをすることは物理的に難しくなっていきます。当社においても、組織が成長していく中で、将来起こる課題に対し先回りし、事業成果を生み出せる人材を育成する仕組みが必要になりました。こうした背景もあり、育成プログラムとしての「イネーブルメントプロジェクト」が2021年にスタートしました。

 「イネーブルメントプロジェクト」とは、人材育成において属人的・感覚的ではなく、科学的なアプローチをすることで、確実かつスピーディに人材が育つ環境や仕組みを確立していくための取り組みです。イネーブルメントという名称には、当社費用のうちP/Lの過半以上を占める人件費を有効化(イネーブルメント)するという意味が込められています。具体的には下記ならびに図表1の(1)→(2)→(3)→(2)→(1)のサイクルを繰り返すことで、育成の精度を上げ続けています。

株式会社AViCが実践している「イネーブルメントプロジェクト」のサイクル

(1)状態や行動を項目化・言語化

 トッププレイヤーの行動特性(具体的行動や状態)を言語化していき、項目に分類する。

 ↓

(2)各メンバーを項目毎に採点

 育成対象社員の業務遂行時の行動や状態を、(1)で分類した項目ごとに採点。採点結果とトッププレイヤーとの点数ギャップのある項目を認識する。

 ↓

(3)ギャップが大きい項目に対し、仕組みとして育成施策を打つ

 ↓

(2)(改めて)各メンバーを項目毎に採点

 改めて採点を実施して、ギャップにどのような変化があったのか確認し、育成施策の効果検証を行う。

 ↓

(1)(改めて)状態や行動を項目化・言語化

 行動特性の言語化や分類した育成項目が高い成果を上げるという目的にヒットしていたかを検証し、チューニングを行う。

図表1 株式会社AViCが実践している「イネーブルメントプロジェクト」の概要(タップで画像拡大)
図表1 株式会社AViCが実践している「イネーブルメントプロジェクト」の概要(タップで画像拡大)

 それぞれの段階でやるべきことついて、もう少し詳しく解説します。

次のページ
「イネーブルメントプロジェクト」の詳細

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この記事の著者

加藤 仁規(カトウ マサノリ)

株式会社AViC 人事部長。2001年大学卒業後、コネクシオ入社。顧客対応からキャリアをスタートし、新卒採用の立ち上げ、制度設計・運用、労務対応など人事領域全般に従事。2014年にmediba入社。7年人事部長を務め、組織エンゲージメント、人事制度改革をリード。2022年からAViCに入社し人事部長として活動。東京...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/28 09:30 https://markezine.jp/article/detail/39481

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