プロセス・ロジックの開示が重要
3つ目がプロセスを価値に変えることだ。インターナルブランディングは、取り組みのプロセス自体も価値になるのが特徴だ。経営と現場を相互に理解していくため、できる限りプロセスを開示しながら進める。
たとえば経営層へのインタビュー内容をドキュメントで配布したり、ワークショップに参加できなかった社員へ情報を共有したりと、熱気を伝えるために意見や写真を残すといいだろう。また、メッセージを発表する際に「どのようなプロセス、ロジックでこのメッセージに至ったのか」も従業員に提示するなど、納得感を得られる工夫をする。
さらに、プロセスをアウトプットし、残しておくことが企業としての資産になる。たとえば、プロジェクト終了から数年後に入社した中途社員や、経営層が入れ替わったタイミングでのオンボーディングなどでも、メッセージ策定の背景を振り返ることができる。つまり、人が変わっても企業文化の醸成にも役立てることができる。
アンバサダーの任命で浸透を加速
4つ目が巻き込んだ社員を味方にすることだ。どんな施策でも、「会社から全社員へ」という一方通行の構図になると浸透は難しい。各組織に触媒となる、旗振り役の社員を作ることで浸透は加速できる。
そのため、揚羽では「アンバサダー」社員を任命することを推奨している。プロセスに参加している社員はプロジェクトに対してポジティブな感情を抱いているため、浸透に大きく貢献してくれる可能性が高いのだ。
たとえば、ある大手機械メーカーのグループ企業はビジネスが多岐にわたるため、「それぞれが違った業務と向き合いながらも組織として1つになれる言葉が欲しい」という目的で取り組みが始まった。
経営層へのインタビュー、社員ワークショップ、メッセージ策定と、ここまで解説してきた取り組みを進めた上で、社員ワークショップに参加した社員を再度全国から集め、「アンバサダー研修」を実施。アンバサダーに期待することや、周囲に伝えてほしいことを伝えるとともに、アンバサダーの考案した浸透施策をプロジェクト化し、その旗振り役として推進してもらっている。
以上、この4つのポイントを押さえることで、BtoB企業のブランディングの第一歩であるインターナルブランディングを成功に導くことができる。
「各社マッチする進め方は異なります。その企業様に合わせてカスタマイズしながら、調査から課題解決まで伴走させていただきますので、コーポレートブランディングについてお悩みの企業様は一度ご相談いただければと思います」と板倉氏はメッセージを送り、講演を終えた。
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