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オートバックスセブンとトラスコ中山が語る、顧客起点のDX【SAP CX DAY 2022】

リスクテイクや投資に対する考え方

富田(SAP):CXプロジェクトを進める際の懸念事項として「リスクテイク」が挙げられます。日本ではリスクテイクすることに対して、寛容になりきれていないのかもしれません。リスクテイクや投資について、お二方はどうお考えですか?

数見(トラスコ中山):当社の場合「よくあるやり方やアイデア」なら、なかなか投資には踏み切りませんね。「今はこういうトレンドだから、こっちに向かっていこう」とはなりません。トップに伝えても、おそらく「他社が既に行っていることを、なぜ今自社でやる必要があるのか」と返ってきます。大切なのは独創性や“おもろい”かどうか。いずれも簡単に言語化できませんが、それらを生み出す難しさを乗り越えられれば、前に進めると思います。

富田(SAP):確かにトラスコ中山さんは、ビジネスモデルそのものが独創的ですよね。勇気がないとできないビジネスだと思います。則末さんはいかがですか?

則末(オートバックスセブン):「新しい領域をつくるべく様々なことを試していかなければ、より良い未来はつくれない」という考えが社内のベースにあります。オートバックス事業はおかげ様で堅調で、今のビジネスを徹底して続けていても、それなりに維持はできるんです。ただ「それで当社のビジョン『2050未来共創』を実現できるか?」という投げかけがあります。

則末(オートバックスセブン):そもそも投資は思いつきではなく「将来こういうことをしたい」という大きなビジョンがあって、それを実現するための手立ての1つだと考えています。そうすると「これは投資しておいたほうが良い」「ビジョンとかけ離れているからやめておこう」という取捨選択もできるようになるのではないでしょうか。

CXを理解し、強みとするためには

富田(SAP):最後に、何らかの形でCXプロジェクトに携わっていらっしゃっている方、もしくは実施を検討されている方にメッセージをお願いします。

則末(オートバックスセブン):CXは誰のためのものかを考える必要があると思います。それはお客様のためでもあり、自社のビジネスの成長のためでもある。両者にプラスを生む「善循環」を成し遂げるためのものだと認識することが大切です。善循環をどう回していくのかをしっかり意識すれば、CXというものをおぼろげにでも理解できるのではないかと思います。

数見(トラスコ中山):店舗での買い物、ECでの買い物、今やどちらも一般的になっています。電子マネーなど、決済手段も多様化していますよね。そんな中、たとえばアプリでの注文プロセスがワンクリック多いだけでも、あるいは決済までの時間がたった1秒遅いだけでも「なんか嫌だな」と感じてしまうお客様がいるかもしれません。それほど私たちの感覚は研ぎ澄まされているのです。BtoCでもBtoBでも「CX」という言葉だけではなく、細かなところに目を向けることで違いが出てくるのではないでしょうか。

富田(SAP):ありがとうございます。本日の講演を通じて、来場者の皆様に「おもしろい」と感じたアイデアや「自社でやろう/やらないでおこう」と思うきっかけを、1つでも良いので持ち帰っていただければ幸いです。

オムニチャネル時代における顧客体験改善の秘訣とは?

オムニチャネルに欠かせない顧客体験改善とは何か。顧客が重視しているという体験価値の特徴と、ユーザーのシームレスな体験を阻害する原因について解説します。また、時流に沿った顧客体験価値の最大化と売上拡充に向け、ビッグデータの利活用とそのメリットについて解説します。資料はこちら。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/30 10:30 https://markezine.jp/article/detail/40366

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