楽天の消費行動分析データ×Metaのアルゴリズムで最適な配信を
MZ:「Ichiba Dynamic - Facebook」について、その仕組みをもう少し詳しく教えてください。
大前:「Ichiba Dynamic - Facebook」でアルゴリズムがしっかりワークするように、楽天様から3.7億点以上(2022年11月末時点)の商品データをFacebook/Instagramに連携いただいています。この商品データと消費行動分析データをもとに、いつ・どんなプロダクトを広告で表示させると利用者にとって利便的価値が高くなるか? をMetaのアルゴリズムで判断しながら、広告を配信するという形です。
MZ:楽天の会員に基づく消費行動分析データをFacebook/Instagram広告配信に活用できるというのは、広告主にとってかなり魅力的ですね。
小川:はい。楽天は現在1億以上の楽天会員のデータを蓄積しています。こうした高精度なデータをオーディエンスとして広告配信に活用できるというのは、多くの企業様が一番価値を感じてくださっているポイントです。
また、大前さんに触れていただいた3.7億点近くの商品データ。これも最大級のインターネット・ショッピングモールを運営している楽天ならではの規模で、非常に大きな強みです。「Ichiba Dynamic - Facebook」ではこれらの「オーディエンスデータ」と「商品データ」を用いて、ターゲティングの設定を自由度高くカスタマイズすることができます。
たとえば、アルゴリズムに任せて店舗内の全商品に対して配信設定をかけたり、特定の商品をプッシュしたりすることが可能です。さらに、「楽天市場」内だけでなくオンライン上のオープンデータも活用し、親和性の高いオーディエンス群を探索する「楽天スクリーム」が提供するソリューション、楽天が展開する70以上のサービスを通じて蓄積する消費行動分析データを基に消費行動を理解し、マーケティングに活用するAIエージェント「Rakuten AIris(楽天アイリス)」らによるターゲティングの設定も行っていただけます。ターゲティングにおいてカスタマイズできる領域とその精度は、自信を持っておすすめできるポイントです。
そして、配信対象とする商品は、特定店舗の全商品/特定商品、店舗横断での特定商品など様々な切り口で設定いただくことができ、「楽天市場」へのご出店形態、施策目的に合わせてカスタマイズいただけます。
効果的な活用のポイントはある?
MZ:プラットフォームをまたいだ広告配信となると、効果計測が気になるところですが、どのような機能を提供されていますか?
小川:昨今、プライバシーや個人情報保護の観点から、サードパーティーCookieの規制を筆頭に効果計測は難しくなってきています。ただ、この流れは我々も少なからず影響を受ける反面、むしろポジティブに捉えている側面もあります。楽天としては、ユーザーからの利用許諾が取れているファーストパーティーデータを最大限に活かすことで、独自の立ち位置で広告主様のマーケティングに貢献していきたいと考えています。その一環として、「Ichiba Dynamic - Facebook」においても、楽天IDをベースとした独自の高度な購買トラッキングツールをご提供しています。
MZ:「Ichiba Dynamic - Facebook」を効果的に活用するポイントはありますか?
大前:「Ichiba Dynamic - Facebook」に限らず、Metaでは、Facebook/Instagram広告においてターゲットのボリュームや配信面、広告フォーマット、対象とする製品数などを人為的に絞り過ぎないことを推奨しています。人為的に制限するのではなく、アルゴリズムに柔軟性を持たせることでパフォーマンスを最大化させることができると考えているからです。
小川:同意です。昨今、広告プラットフォーマーが提供するアルゴリズムは非常に優秀なため、絞り過ぎないという点は重要です。パフォーマンスを最大化しようと、何かと手を打ちたくなるものですが、ある程度アルゴリズムに任せるというのは大切なポイントだと思います。
ただ、少し逆説的な話になってしまうかもしれませんが、先にお話ししたとおり、楽天が蓄積する消費行動分析データをもとに、目的や課題に応じたターゲティング設計をすることの重要性も強調したいところです。たとえば、一般的なダイナミック広告では、リターゲティングに偏った配信になってしまうことが少なくありません。このとき、表面的な広告効果だけを見て運用し続けていると、ターゲティング母数の縮小により獲得効率が低下し、ふたを開けてみると売上が全然伸びていなかったというような事態に陥りがちです。一方、オーディエンスを設定しないブロード配信では、最適化に時間がかかりすぎてしまい、マーケティング費が嵩んでしまいます。そのため、やはり、データをもとにしたターゲティング設計にはぜひ取り組んでいただきたいです。
MZ:楽天が蓄積する消費行動分析データとAI×Metaのアルゴリズムの相乗効果を狙って、うまく活用することが求められますね。