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地球グミ、UCC、ビアボール事例の成功要因は? 企業・ブランドのためのショート動画活用法

地球グミとUCCはなぜ話題を生んだのか

 天野氏はTikTok売れの代表的な事例として「地球グミ」を紹介。同商品はTikTokで“食べてみた系”のショート動画が爆発的に増え、テレビや新聞などで報道されることにより、若年層以外の人々にも知れ渡っていく流れを辿った。

「地球グミの事例からは、TikTok売れがTikTokの中だけで完結するムーブメントではないということがわかります。商品やブランドが生活者にポジティブな驚きをもたらす要素やターゲットインサイトを内在していれば、皆がシェアしたくなるはずです。企業がそこで満足せず、クリエイターとのコラボ動画や広告配信など追加の取り組みをたたみかけることで、TikTok以外にも話題が飛び火し“世の中ごと”になっていきます」(天野氏)

 天野氏は続いてUCC「コールドブリュー」の成功事例を紹介。UCCは同商品のテレビCMに出演するタレントの池田エライザ氏を審査員に設定し、Web CMのオーディションをTikTokで開催した。ユーザーが池田氏のナレーションに合わせて同商品を飲む姿を動画におさめ「#香るどブリューオーディション」というハッシュタグをつけてTikTokに投稿すると、応募が完了する。選ばれたユーザーは池田氏が監督するWeb CMに出演できると打ち出したところ、大きな話題を生んだそうだ。

 天野氏はこの事例の成功要因として次の三つを挙げる。

1.CM、著名タレントが持つ話題性

2.流行のミーム/企画フレームの採用(指示出し系)

3.参加・共創を促すプレミアムなインセンティブ

クリエイターのトンマナをどこまで許容するかが鍵

 サントリー「ビアボール」のプロモーションでは、著名なTikTokクリエイターを集めて「ビアボーラーズ」というチームを結成し、各クリエイターの投稿でプロモーションを盛り上げた。

@matsudake ロスチャイルドサントリービアボール篇🕶 #ビアボールやってみた #ビアボーラーズ #ビアボールアンバサダー #ビアボール #マツダ家 #マツダ家ボイス ♬ オリジナル楽曲 - M2DK/マツダ家の日常

「先に述べた通り、TikTokでは尖ったコンテンツがユーザーに期待されています。企業がクリエイターと協業する際は、彼らが持つトンマナをどこまで許容するかが鍵なのです。今回はビアボーラーズの皆様がそれぞれに持つ個性を尊重し、丸まらずに尖ったアイデアを実行したことで、動画の再生回数は9,000万を超えています」(天野氏)

 企業・ブランドがショート動画をプロモーションやマーケティングへ活用するためにはどうすれば良いのだろうか。天野氏は三方向の打ち手を紹介する。

【クリック/タップで拡大】

 TikTok内で認知やエンゲージメントを高めたい場合は、ハッシュタグチャレンジやブランドエフェクトが効果的だという。後者はブランドの世界観を高度な画像認識技術を用いて表現するTikTokの広告メニューだ。キャンペーン期間中にリーチ・視聴・CVを最大化したい場合はインフィード広告が、新商品をリリースしたタイミングで大型のリーチ・認知を獲得したい場合はアプリ起動時に配信される動画広告メニュー「TopView」を天野氏は勧める。

 ショート動画は今後どのように発展していくのだろうか。天野氏は自身の見解を述べて、セッションを締めくくった。

「ユーザーのアテンションの希少価値が高まる中で、ショート動画はコンテンツおよびその届け方を再設計させるドライブ要因になると考えています。今後はショッピング機能を含め様々なソリューションがショート動画プラットフォームに拡充されていくはずです。広告の種類も増えており、皆が『ここが中心だ』と考えていることが見てとれます。ショート動画はアテンションを獲得して、話題を拡散させる導火線や先頭打者の役割を担っていくでしょう」(天野氏)

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この記事の著者

西原 小晴(ニシハラ コハル)

 京都府立大学農学部出身。前職は大手印刷会社にて化学物質管理のシステム開発&管理者。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のライティングを行う。現在はリードナーチャリング、セールスライティングをメインとするマーケターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/10 07:00 https://markezine.jp/article/detail/41884

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