「WHO」の修正から始まった、アソビュー!の顧客起点マーケティング
MarkeZine編集部(以下、MZ):西口さんは、2019年からアソビューの経営・マーケティングのコンサルティングをされています。当初、アソビューのマーケティング状況を、西口さんはどう捉えられましたか?
西口:最初は、代表の山野さんから、将来的なビジョンも含めて色々なお話をうかがいました。その中で、お客様のイメージについても話を聞いたのですが、なんだかよくわからなかったんですね。顧客像がイマイチわからない、というのが僕の正直な印象でした。
当時、アソビュー!は、20代男女に向けて様々な“遊び”の選択肢を提案していこうとしていました。つまり、ここ(20代男女)が中心の顧客層だと考えられていたわけです。
ですが、僕は、「念のために、実際にどういうお客様がアソビュー!を使っているのか/長期的に使い続けて下さっているのはどういう方かを見ていきましょう」という風にお話ししました。あとは、「顧客起点マーケティングは経営者が率先してやるべきです」という話もさせていただきましたね。
宮本:スタートの時点で西口さんから大量の宿題を課されまして。アソビュー!の本当のロイヤル顧客は誰なのか、様々な切り口のデータを用意し、分析結果を西口さんに提出することから、まず取り掛かりました。
西口:そこでわかったのが、実は、20代男女よりも、小さなお子様をお持ちのファミリー層のほうがサービスの利用頻度と利用継続性が高いということです。たしかに、ざっとデータを見ると、20代男女がサービスをよく使ってくれているように見えるのですが、累計で事業に貢献しているのは、ファミリー層だということがわかったんですね。この時点で、アソビュー!のみなさんの大きな認識違いが一つ修正されたと思っています。
宮本:データを見た時に西口さんが「(20代男女より)ファミリー層なんじゃない?」とおっしゃって。「え、本当ですか?」と、みんな半信半疑でした。たしかに、ファミリー層はサービスの利用頻度が多い傾向にあったのですが、比率としては少なかったので、いわゆる“外れ値”として見ていたんです。私も代表の山野も、BtoBビジネスではお客様一人ひとりに対しての価値提供・課題解決が重要だという認識を持っていたのですが、BtoCのビジネスについては、かなり平均的に考えてしまっていたなと今振り返って思います。
アソビュー!の顧客起点マーケティング事例の詳細は、アソビュー 専務執行役員 CSMO 宮本武尊氏による全3回の寄稿「アソビュー録:顧客起点マーケティングの実践例」で公開しています