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【特集】テレビ×マーケティング2023

テレビCMも含めた統合マーケティング、MMMでどこまで可視化できるのか?

インハウスでMMMを行うのは難しい? MMMを取り入れる時のポイント

──MMMでは高度な分析技術が求められますが、やはり広告主がインハウスでMMMを行うのは難しいのでしょうか?

 そうですね。正直にお話しすると、まったくのゼロベースからMMMを自社内で行うのは、難しいかもしれません。ただ、分析に必要なベースのモデルさえ組んでしまえば、広告主企業内での自走化も可能だと思います。弊社のクライアント様の中にも、最終的には自分たちで回していけるようにしていきたい、という意思を持たれているお客様もいらっしゃいます。そうした企業様には分析方法をレクチャーしながら、自走化を前提にしたコンサルティングを行います。

──これからMMMを取り入れようと考えている企業が念頭に置いておくべきポイントはありますか?

 MMMはマーケティングのすべてを可視化するための手法です。テレビCMをはじめとする大きな予算の動きにもつながりますから、経営層の判断が必要になる場面が多々あります。あらかじめ経営層との合意を取っておく、また関連する各部署への説明材料を揃えておくという最初の働きかけは重要になってくると思います。

 そして、MMMを取り入れるとき、最も時間がかかるのが「データ収集」の段階です。近年はデータをしっかり整備されている企業様も増えてきましたが、最初から統一されたフォーマットでデータが一元化できているケースはやはりまだまだ少ない。この部分は、まだ伸びしろがあるように思います。

 と言ったものの、実はMMMのデータ収集で意外と大事なのは「すべてのデータを集めようとしない、データを集めすぎない」ということです。MMMで必要なデータには大きく2つの観点があり、1つは「統計的に分析モデルを作るために必要かどうか」、もう1つは「本当にその広告施策を可視化したいのか(=成果に与える影響度がどれくらいか)」です。あとは「データ収集の難易度」を天秤にかけながら、進行すると良いでしょう。

 すべてのデータを集めようとして、あまり重要でないデータの収集に時間がかかりすぎてしまい、プロジェクト全体の進行が遅れてしまった、というのはよくある話です。あえて集めないという選択肢も頭に入れておくと良いと思います。そのためにも、なぜMMM分析を行うのか、目的とゴールを最初に明確にしておくことが重要です。

MMMのダッシュボード化で統合マーケティングの高速PDCAを実現

──最後に今後の展望をお聞かせください。

 この数年でMMMへの関心は、非常に高まっています。昨今の日本企業の全体的な流れとして、データ活用への意識が高まっていることは言わずもがなですが、それに準ずる形でMMMへの関心が高まってきているように感じています。また、Cookie規制の影響もあります。デジタルの領域でも正確な効果測定が難しくなっている中、従来の効果測定の代替手法としてMMMが注目されていることは確かです。

 MMMという手法をより多くの企業に最大限活用してもらえるよう、我々は今、MMMをベースにした統合マーケティングのダッシュボード開発に取り組んでいます。MMMは高度な分析スキルを要するため、分析からレポーティングまでどうしても数日かかってしまいます。高速でPDCAを回せるとは言い難いのが現状です。だからこそ、ここの改善には大きなニーズがあります。

 統合マーケティング×MMMのダッシュボード提供に向けて、構想段階から一歩踏み込んだ具体的な開発が今できているので、期待していただければと思います。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42298

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