※本記事は、2023年6月25日刊行の『MarkeZine』(雑誌)90号に掲載したものです。
【特集】明快な方程式がなくなった、メディアプランニングの今
─ 本田哲也氏に聞く「人を動かすメディアの使い方」 統合型マーケティングキャンペーンに加えるべき視点とは
─ メディア利用はシーンや習慣に左右される。メディアポジショニングマップから見る、生活者のリアル(本記事)
─ リーチ最大化を狙いつつ、文脈と新しい取り組みを意識する Uber Eatsのメディア戦略
─ WBC期間中のテレビCM投下量が話題 カーネクストのメディアプランニング
─ 広告が刺さる瞬間を捉えよ 偶然の出合いを意図的に作る、DOOHのマネージドセレンディピティとは
─ お金=広告費で買えないものとは?明石ガクト氏が説く、アテンション時代のモノの売り方・広め方
─ これまでと対極の価値訴求で若年層と女性を取り込んだ「丸亀シェイクうどん」のメディア戦略
─ 生活者の心を動かすメディアプランニングとは? 資生堂「みんな、いい顔してる。」キャンペーンの事例
─ 博報堂DYが組織横断で結集し目指す、メディアプランニング×広告クリエイティブの全体最適
浸透するにつれ「くつろぎの時間」に使われる傾向
──はじめに、メディアポジショニング調査の概要についてうかがえますか。
ひと研究所はビデオリサーチ内のシンクタンクです。多様なデータを活用し、生活者の今と未来のインサイトを研究しています。私は主任研究員として、特に生活者のメディア利用行動に関する研究発信をしています。
メディアポジショニング調査は、生活者の視点で「メディアを生活のどのような場面で使っているか」を調べたものです。2019年に初回の調査を行い、第2回の調査までは公表していませんでした。第3回の調査は2021年10月に実施し、結果を分析したものを2022年の頭に発信。今回主にご紹介するのは、2022年に実施した調査結果の分析内容です。
調査そのものはシンプルで、3ヵ月以内に使ったメディアを聞いた上で、どういうシーンで使っているかアンケートをとっています。たとえば「起床した後、ベッドや布団の中での時間」「通勤通学・移動中」「食事しながら」といった選択肢があります。今回の調査では60のメディアを調査対象としました。
それらをコレスポンデンス分析で散布図の形にしています(図表1)。