リアルな関係で求められる「居心地の良さ」
岡田(Adjust):TapNowは、アテンションとコネクトに当てはまることはありますか?
野間(Sango technologies):コネクトでいうと、バーチャルのつながりであるZEPETOと異なり、TapNowはリアルな仲間たちとのコミュニケーションに使われることが多いです。そのため「居心地の良さ」を大切にしています。
野間(Sango technologies):リアルな仲間といっても様々で、多くの人たちは、学生時代の友達や仕事関係の人、推し活仲間など複数のコミュニティーに属しています。これらを1つのネットワークに押し込もうとすると気疲れしてしまうんですね。
たとえば私がFacebookで子どもの写真を投稿したとします。仕事関係の知り合いが真面目に「おめでとうございます」とコメントを投稿すると、学生時代の友人は「めっちゃ野間に似ているね。なんかウケる(笑)」などいつものノリでは投稿しづらくなってしまうかもしれません。
岡田(Adjust):確かに属性が異なると、SNSの特性上、コミュニケーションの仕方を迷ってしまうことがありますよね。
野間(Sango technologies):はい、そのためTapNowでは投稿疲れ解消の工夫の1つとして、共通の友達同士でのみコメントを見られるようにしています。
片岡(Suishow):私もFacebookやInstagram、Instagramストーリーズと、だんだん投稿しなくなりました。この流れはどこにどう落ち着くのか。考えた結果誕生したのが、投稿しなくても発信できるNauNauです。
岡田(Adjust):投稿という動作をなくした点が、Z世代やアルファ世代には受け入れられやすかったのかもしれませんね。NauNauはどのような人たちが使っているのですか?
片岡(Suishow):3タイプに分かれています。1つ目は陽キャですね。高校生や大学1、2年生ぐらいの人たちがみんなで交換しています。2つ目はカップルです。大学生から社会人になりたての人が、相手が何をしているか、浮気していないかなどを確認するために活用しています。3つ目は40代や50代の人が子どもを見守るアプリとして使っています。
野間(Sango technologies):TapNowもまったく同じですが、使われ方は少々異なる部分があります。陽キャは、同じグループのメンバーであるという認定の証しとして使われることが多いようですね。
カップルではLINEよりも重くならない絶妙な使い方ができるようです。TapNowは、写真や動画をホーム画面に送った時点でコミュニケーションを完結できる点が支持されているようです。
子どもを持つ親でいうと、35歳前後の方々が自分の親に対して、子どもの写真を送っています。以前のデジタルフォトフレームのように、日常の子どもの姿を次から次へと送っているようです。
ユーザーの熱量を高めるために、創作意欲に火をつける
岡田(Adjust):続いて「ユーザーの熱量を高めるには」を話題に、お話を聞きます。各サービス、Z世代に多く使われているとのことですが、ユーザーの熱量を高めるために行っていることを教えてください。
加嶋(NAVER Z JAPAN):エンターテインメントのコンテンツがあがるときに熱量が高まるので、ZEPETOではユーザーの表現の幅を広げるよう意識しています。
その1つとして最近、アバターの新しい表現を追加しました。これまで私たちが提供してきたのは、どちらかというと現実世界に近いアバターでしたが、新しいアバタースタイルでは漫画やアニメの中のキャラクターになれるようにしたのです。基本的に3Dであることは変わらないのですが、やはり日本や韓国、アメリカでは2Dのアニメスタイルの文化が根付いていると思っています。
このように表現のバリエーションをいかに増やしていくかは、ユーザーの熱量を高めることに直結すると考えています。そのためZEPETOでも2Dアニメーションスタイルのアバターをリリースしました。
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