「パクチーすぎて草」「ウィンナーコーヒー」などTikTokノリに合った企画を実践
MZ:LCとしては日本ピザハットにどのようなアカウント運用支援を行ってきましたか?
井上:まだ何のお返事もいただいていない状況のときから、見える数値を全部出してみて、私たちなりに「ここに課題があるんじゃないか」という仮説を持てるレベルまで、徹底的に分析しようと考えていました。
当時既に投稿されていた70数本を全部見て、再生数やコメント数などの数値を洗い出した上で、伸びている動画、あまり伸びていない動画の傾向を見つけに行き、根拠を持って今後の方針を提案させていただきました。
そもそも各SNSはそれぞれ文化が異なり、TikTokも独自のノリや文化があります。そのため、ユーザーが「この人たちはTikTokのことわかっているね」と感じるアカウントはやはり伸びていきます。TikTokの企業アカウントの中でも、ピザハットさんはその点でポテンシャルが非常に高いと感じ、ぜひ支援させていただきたいと強く思いましたね。
MZ:運用を開始されてからどのようなコンテンツを発信されましたか?
フィギギ:わくわくするような様々な企画を提案してくださいました。特に「TikTokでしか見れないオリジナル商品の調理動画(無茶ぶり企画)」は、私達が商品開発をしていく上でもとても活かされています。TikTokチームの年齢層は若手が多いので、TikTokをはじめ他のSNSでも話題化するような新商品を考えていく中、実際に商品化することができたのがあの「パクチーすぎて草」のピザでした。
フィギギ:続いて発売が決定した「【衝撃】多分それ違うwwwウインナーコーヒー」は、コーヒーを飲んだことがない弊社社員が、ウインナーコーヒーとはウインナーが入っているコーヒーだと思っていたところから想起したピザです。SNSで調べてみると、思ったよりも同じ勘違いをしている人がいたので、これはもしかしたら話題化できるのではないかということで、ピザのミミにウインナーをつめ、生地にはコーヒーソースとホイップクリームを添えて、ウインナーコーヒーの「勘違い」と「正しい」が共存するカオスなピザができ、注目を集めることができました。
コラボ企画もスムーズ実現 9ヵ月でフォロワー数・エンゲージメントが倍増
井上:それらに加えて、コラボの提案もさせていただきました。YouTuberだとコラボは当たり前にされていますが、TikTok界隈ではまだそれほど数がないため、それを企業アカウントがやることはおもしろいなと思ったのです。
企業間コラボというよりは、あくまで動画の中のコンテンツコラボという形でハードルを下げ、素材として商品を提供していただいてピザにするような、動画内に収まるコラボにしています。こうすることで投稿までスピーディーに進められました。
フィギギ:また、以前TikTok企画で採用した「ラーメンピザ」のアイデアを商品化するために、2024年1月22日より「天下一品」と共同開発したコラボ商品「こってり風ラーメンピザ」の販売を開始しております。
井上:ピザハットさんはこういったおもしろい提案を採用していただける土壌がある会社さんだったため、私たちとしてもありがたかったですね。
MZ:今回の運用体制変更によってどのような効果を得られたのでしょうか?
フィギギ:2023年3月から新体制でスタートして、12月までの9ヵ月間で獲得したフォロワーは5万4,000人超。204%の成長を達成しました。コンテンツの投稿数は月当たり8本から12本に増やしました。再生数は前年同月比で117%、エンゲージメントは200%に増加しています。
2024年3月までに12万フォロワーに増やそうという目標で、日々運用していて、2024年1月現在で約10万人と、本当に順調に推移しています。私たちとしては、以前と同じコストでフォロワー数は運用前と比較して2倍、成長率も2倍以上で運用できているので、感謝しかありませんね。