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【特集】本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方

AI時代の来し方行く末 ビッグウェーブを乗りこなすヒント

ChatGPT一強時代が終わる?

──本号のテーマは「本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方」です。今後AIはどのような進化を辿っていくと予測されますか?

 間違いなく進化は続きます。次に出るであろうGPT-5の学習機能がさらに強化され、創造性が高まることは想像に難くありません。生成系AIの進化にともない、個人のリスキリングニーズも高まるはずです。私の知人が運営するAI学習講座には約8,000名の生徒が通っています。自身の業務の担い手が生成系AIに置き換わることを危惧した人が受講しているのでしょう。

 ChatGPT一強の様相を呈する生成系AI市場ですが、今後はプレイヤーの顔ぶれに変化が見られると思います。ChatGPTは米国発のサービスですから、日本語に特化しているわけではありません。ChatGPTに学習させた情報が海外に流れる点を気にする日本企業もあるはずですし、利用料の値上げはいつ起こってもおかしくない状況です。これらの背景から、日本企業がChatGPTのような大規模言語モデルを新たに生み出す動きは加速するでしょう。現に様々な企業が参入を開始しています。私も東京大学の松尾豊教授と共同で日本企業に特化した大規模言語モデルを開発しているところです。

 このあたりの動きは、自動車産業が発展するまでの流れと似ているかもしれません。最初に海外で自動車が誕生して日本でも輸入を始めたものの、輸入だけに頼っていては自動車の作り方を知ることができない。だから国内でも生産を開始する。そのような流れが今の生成系AIビジネスでも起こっていると言えます。

──最後に、本格AI時代の広告・マーケティング業界に身を置く読者へ向けたメッセージをお願いします。

 マーケティングに関する業務のうち、非常に多くの部分が生成系AIによって自動化されます。広告・マーケティング業界のビジネスパーソンに求められるのは、アウトプットの良し悪しを決める判断力と、生成系AIの活用ユースケースを思いつく発想力です。「そのテクノロジーによってどのようなビジネスや仕組みを生み出せるか」という問いが全員に突きつけられている中、いち早く問いに対峙した人や企業が本格AI時代をサバイブできるのだと思います。これほどおもしろい時代はないと感じますし、この機会を逃せば同じインパクトを持つ波は向こう10〜20年訪れないでしょう。

 特に若い皆さんにとっては、ゲームチェンジを起こすチャンスだと思います。スマートフォンを触ったことがないデザイナーがUIを語ることができないように、まず触ってみないことには始まりません。生成系AIに関連するツールやハウツーコンテンツは星の数ほどありますから、とにかくご自身で楽しみながら生成系AIを使い倒してみていただきたいですね。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/19 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43793

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