インフルエンサーが接客の窓口として機能 ターゲットの絞り込みは徹底
──そのほかにブランドならではの役割はありますか?
3COINSの店舗ではアパレルのような接客を行っていないことから、スタッフインフルエンサーの発信にはお客様との接客ツールという役割もあると考えています。
もちろん店舗でもお客様からお問い合わせがあった場合にはお答えをしておりますが、スタッフインフルエンサーの投稿をきっかけに、店舗でお問い合わせできなかった方や、お住まいが遠方でご来店できない方、オンラインでの購入の方など様々な方からの商品に対する質問がスタッフインフルエンサーに届いております。

なかにはマイナスな意見もありますが、プラスな意見や商品レビュー、さらには提案などもいただくことが多いです。
──投稿の効果を最大化するためには、どのような工夫をされているのでしょうか?
アパレルで行っているペルソナ設定は雑貨ブランドでは難しいと考えています。
そのため、3COINSではターゲットを絞って発信することを強化し、それぞれの年代およびフォロワーに向けたカテゴリーや商品を選定し、発信を行っています。
定期的な勉強会を行うことにより、インフルエンサーに基礎以上の知識を身に着けさせ、投稿のクオリティを上げていき、トレンドに敏感になるように好事例を共有しています。
それに併せて、個別ミーティングでターゲットの軸を再確認させ、そこに向けた施策やテイストを考え、反映させることにより、新規のファンを獲得しつつ、既存フォロワーの離脱を防止しております。
効果検証は“フォロワー数に応じて段階的に”見る
──インフルエンサーマーケティングは、他のデジタル施策と比べて「投資対効果が見えにくい」「継続的な出稿計画が難しい」などといわれることが少なくありません。3COINSではどのような指標をKPIに設定していますか?
おっしゃる通り、投資対効果が見えにくいのは事実です。
様々な数値を元に費用対効果の構築式を考えましたが、3COINSの売上に対して、あるいは商品の売上点数に対して、SNSへの活動が直結していると示せる数値は算出できませんでした。
そのため、KPIの指標はフォロワー数におけるリーチ数に設定しています。フォロワー数が多いからといって、必ずしもすべての投稿に対してリーチ数が高いわけではありません。そのため、フォロワー数が少ない方には、まずはフォロワー数を伸ばすところから始めていただき、フォロワー数が多い方には、自身のフォロワー数値より3倍以上の人数を指標としています。