仮想で仕入れるしくみ
サプライヤーは、営業の最前線に立つ販売代理店たるセラーに対して、売ってもらうための商品を製造します(上図参照:わかりやすいようにペットボトル詰めのお茶の製造と各々固定値を入れています)。もちろん、商品を製造するにあたっては、さまざまな材料を使って商品として完成させることになるので、お金がかかることになります。
会計上では、この「製造にかかったお金」のことを“製造原価”と呼ぶのですが(外部から仕入れてきた場合の費用のことを仕入原価と呼びます)、お金をかけて製造したものですから、サプライヤーは製造原価の回収+儲け分を設定しなければ利益がでません。そこで、この商品を売る場合には、製造原価以上の価格でセラーに提供することになります。
では、サプライヤーが60円の儲けを得る方針だったとしましょう。そうすると、お茶の製造原価は40円なので、儲け分の60円をプラスして100円でセラーに提供することになります(上図参照)。ここでセラーへの譲渡価格である「卸値」というものが決定します。セラーはこの「卸値」で商品を仕入れることになるのですが、ドロップシッピングでは、仕入れるとはいっても商品が実際にサプライヤーからセラーの手元に行くことはありません。したがって、この段階ではお金の動きというものはありません。
しかしながら、約束上ではセラーはサプライヤーから仕入れたことになっているというのは前回でも説明したとおりです。というわけで、ここからはこの事象のことを仮想的に仕入れている…、とのことから、「仮想仕入れ」と呼称したいと思います。