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【特集】2024年・広告の出し先

CTVの利用が定着した今、改めて押さえておきたいTVerの可能性

どのデバイスよりも高いCTVの広告完視聴率

──TVerの広告媒体としての強みはどのような点にあるのでしょうか?

甲斐:TVerは地上波放送と同様のコンテンツを配信しているプラットフォームですから、地上波CMの代替としてTVer広告に機会を見出している広告主は増えています。

蒲地:地上波由来のコンテンツは私も強みの一つだと考えています。また、ノンスキッパブルな広告フォーマットとファーストパーティーデータに基づく高精度なターゲティングも特徴です。

 TVer広告は完視聴率が高く9割を超えているのですが、デバイス別に見るとCTVが96.49%と最も高いのです。またCTVデバイスにおけるTVerの平均視聴人数は1.5人で、2人以上で視聴する人の割合も35.4%と高いことから、共視聴もCTVならではの特徴と言えます。

──CTV広告と特に相性の良い業界・業種はありますか?

甲斐:あらゆる業種と相性は良いと思います。強いて挙げるなら、テレビCMの出稿企業でしょうか。地上波でCMを積極的に出稿している企業からすると、CTV広告は出し先のデバイスが変わりません。生活者への接触機会をより増やす意味で、メディアプランの中には入れやすいと思います。

 逆に、テレビCMの出稿を検討している段階の広告主からも「TVer広告からチャレンジしてみたい」というニーズが生まれています。テレビデバイスの効果を感じるための初手として、TVer広告が選ばれているのかもしれません。

小さい画面・地上波ではできない表現が鍵

──CTV広告のメディアプランニングやクリエイティブ戦略のポイントを教えてください。

蒲地:TVerは幅広い世代の方に利用いただいていますが、特に若年の利用者層が厚いため「地上波のCMではリーチしきれない若年層にTVerでリーチする」といったプランニングも定着しつつあります。また、TVer広告は時間帯配分が可能なため「地上波で提供番組を放送しているが、提供番組が放送されていない時間帯にTVerで広告を配信する」という活用方法も増えてきています。

甲斐:その使われ方には非常に可能性を感じています。たとえば地上波では高額なCMの放送枠と同じ時間帯にTVerで広告を配信することは可能ですよね。地上波で提供番組を持つほどの予算がなくても、いわゆる“ゴールデンタイム”に広告を配信できる点は、TVerならではの出稿メリットではないでしょうか。

蒲地:クリエイティブについてもお話しします。当社が最近実施した調査では「CTVで広告がリフトしやすいコンテンツジャンル」と「スマホ/PCで広告がリフトしやすいコンテンツジャンル」に違いが見られました。たとえばCTVの場合、アルコール飲料の広告が旅行番組やコメディ番組の枠で高いリフト効果を示します。このように、コンテンツジャンル×デバイス×広告クリエイティブの最適解を当社でも研究しているところです。また、視聴者の反応を見ながらクリエイティブのPDCAを高速で回していくことも大切だと思います。

甲斐:CTVはスマホやPCに比べて画面が大きいため、視聴者に与えるインパクトは非常に大きいです。その点を踏まえ、CTV広告のクリエイティブでは「小さい画面ではできない表現」また「地上波ではなかなかチャレンジできない表現」を重視すべきであると我々は考えています。CTV広告のクリエイティブTipsについては、当社でも積極的に研究を進めているところです。

 TVerでは、広告クリエイティブの審査において地上波と同等の基準を設けているのです。厳しい審査基準は、視聴者にクリーンな表現が届けられることの証左でもあります。デジタル広告の中には、インプレッション増を狙うあまり露骨できわどい表現が取り入れられたものもありますよね。一方、CTV広告は自宅のリビングで見られることが多いため、親御さんやお子さんと一緒に過ごしている場で流れてほしくないクリエイティブは、ブランド棄損につながりかねません。その点TVer広告はクリーンかつ洗練された広告クリエイティブが担保されており、広告主へプランニングする際の安心材料になっています。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/17 20:41 https://markezine.jp/article/detail/44373

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