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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2024 Spring

増収増益を重ねるアサヒビール、社長の松山一雄氏は「マーケティングと経営」をどう考えるのか?


安く、早く、賢い失敗を組織の「是」とする

西口:先の成功例と失敗例の違いはつまり、熱量の差なのですね。結果を継続的に生み出すための秘訣は、どういったことだと思われますか?

松山:早く、安く、賢く失敗して、そこから学ぶサイクルを回していくことだと思います。もう1つは、戦略的に試行錯誤することです。

 闇雲にあれこれやるのではなく、仮説や意思を持って試行錯誤する。その過程で遭遇する失敗はむしろ糧になります。意思をもって実行した結果なら、次に活かせる可能性もすごく大きいですから、称賛します。これを当社として組織の「是」にしました。

西口:組織の「是」とは?

松山:失敗を恐れる社風があることも入社早々から感じていたので、それを変えたかったのです。社長になってからも、全社員となるべく顔を合わせて、数人~15人くらいのオフレコのミーティングを重ねています。先のように闇雲な失敗を推奨するのとは違うので、誤解のないようにしながら、「失敗を恐れるような組織からはイノベーションは生まれないよね」と話しています。

本当に顧客が真ん中にいるか、問い続けよう

西口:そういう社風へ変えようとしてきた結果、今の業績につながっているのだという印象があります。最後の質問です。マーケターと経営者はどう進化していくべきだとお考えですか?

松山:やはり、「本当にお客様が真ん中にいるか?」を問い続けることだと思います。どの会社も顧客志向を唱えますが、本当にそうなっているか、胸に手を当てて社長から新入社員まで考え続けること。それができている会社は、マーケティングだ営業だと機能で分けなくても、一人ひとりの真ん中にお客様があるので、「顧客に価値を届けるのが我々の仕事」という共通認識でしっかりまとまることができると思います。

西口:顧客を真ん中に置くことを徹底するように、進化するべきですね。

松山:そう思います。私の理想の組織は、そういう組織です。顧客が真ん中にいて、そこに価値を届けるために皆が動けば、管理統制の必要なく、自律分散で動けます。実際にやろうとすると大きな反発も受けますが、それに負けない勇気をもって取り組み、1つでも成功例ができれば、それが社内の風土になっていきます。

 私たちも引き続き頑張ってやっていきますが、皆さんもぜひそういう気持ちで、マーケティングや経営を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/02 18:21 https://markezine.jp/article/detail/45203

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