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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

1年で大きく進化し「生活者に近づいた」味の素のマーケティング 新組織設置の狙いとその成果を聞く

失敗を恐れない“風土”、基本の徹底があるからこその進化

――新組織の設立後約1年という短い期間で、お話しいただいたようなポジティブな変化を起こせた理由はどこにあると考えますか?

岡本:組織体制など様々な理由がありますが、一番大きな影響を与えているのは“風土” だと思います。この1年で、失敗を恐れず挑戦をする風土が醸成されてきました。

 マーケティングの仕事は、今までにない価値を創造し、その価値を生活者に問うものであり、これは言うなれば“未来へ跳ぶ仕事” です。確信を持てるような仮説を立てられても実際は外れることのほうが多いですし、失敗はつきもの。成果を出せないこともたくさんあるでしょう。ですが、素晴らしい戦略や製品を生み出すには、それでもくじけずにヒットを狙い続けなければなりません。バッターボックスに立って、思い切りバットを振り続けるしかないのです。

 ですから、マーケティングデザインセンターでは、たとえ成果が出なくても狙い澄まして思いきりバットを振った人を表彰するアワード「Swing The Bat Award」を設けました。開催数はまだ2回ですが、既にチャレンジをする人が増えたと実感しています。失敗を恐れずに向こう岸に飛んでみようと挑戦する意識や姿勢がマーケターには必要です。

――最後に今後の展望をお聞かせください。

岡本:今回は新しい取り組みをメインにお伝えしましたが、これらはすべて味の素社が築き上げてきた土台、つまり基本の活動があるからこそ成り立っています。

 たとえば、我々には、製品をお客様に届ける売り場=店頭を科学するインストアマーチャンダイジングに先陣を切って取り組んできた実績があります。店頭はお客様との重要な接点であり、ここをしっかり押さえられていることは我々の大きな強みです。インサイトベースで製品やクリエイティブを作り上げ、それらを店頭でお客様に届けるという基本の活動、それを土台として、新しいものを乗せたときに初めてマーケティングは進化します。

 マーケティングの仕事は、ややもすればトレンドに左右されがちだと思いますが、大切なことは昔も今も変わりません。マーケティングとはお客様の心を汲み取り、それに対して価値を提供することなのだと思います。味の素はこれからも「基本を徹底すること」と「変化を取り込んでいくこと」の2軸でマーケティングに取り組んでいきます。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 11:01 https://markezine.jp/article/detail/45368

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