若い世代のコンビニ利用実態に危機感
──マーケティング組織・人材の育成や強化について、取り組んでいることがあればお話しください。
マーケティング本部を立ち上げた当初は、マーケティング戦略を立てた経験のある者がいない状況でした。そのため根本的なマーケティング視点を含め、私たちが持っていない知見を持つグループ企業との人的交流を行っているほか、社外のパートナーの方々から学ばせていただくなど、メンバーの知見を高めるような取り組みを行っています。
また、若い世代の社員の感性を尊重し、様々なチャレンジを奨励しています。私たちの部門はマーケティング戦略に関しては未経験者の集まりであり、若い社員が多いチームなのです。チャレンジすることで人は育っていきます。一人ひとりがスペシャリストとして役割を果たせるようになることで、強いマーケティングが実現できるのではないでしょうか。
──最後に、セブン-イレブン・ジャパンの今後の展望についてお聞かせください。
冒頭に述べたとおり、課題となっている客数減への対応として、向こう1年間は来店頻度を高めながら客数を伸ばしていくことに注力していきたいと考えています。
加えて、Z世代の利用促進も重要なテーマです。ドラッグストアやスーパーマーケットが中食に注力するなど、競合の垣根がなくなりつつある今の時代。多くのZ世代にとってコンビニは「買い物をする場所」として真っ先に思い浮かぶ選択肢ではないかもしれません。私自身の周りを見ても、ECサイトで購入した商品の代金を支払う目的でコンビニを利用する層は多いものの、買い物をする場所として想起する人は決して多くない印象です。
このまま何も手を打たなければ、Z世代の可処分所得が増えたときにコンビニを利用してもらえないと思います。今身近に感じていないコンビニを、今後自然に利用するようになるとは思えないからです。Z世代がメインの客層になる時代は必ず来ます。「何か必要なモノがあったときはコンビニ、しかもセブン-イレブンに行こう」と思っていただけるよう、今からこの世代に向けたコミュニケーションを図る考えです。
セブン-イレブン・ジャパンは2023年に創業50周年を迎え、今年51年目に入りました。世の中の変化を捉えてお客様のニーズに応えながら、今後も様々な取り組みを進めていきますので、期待していただければと思います。